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「先輩なんか面白いことないっすか。」 「お、お前いいところに来たな。あるぞ。俺、新興宗教…
体が前傾姿勢からゆっくりと弧を描いて落ちていく。 背中はもう冷たい中に入るイメージを頭に…
ーーー日曜日の夜。 寝ようとしていると、机の上のコンソールから声が聞こえてきた。 「ウイ…
少し空気を吸いに行こう。厚めのパーカーに袖を通して外に出る。 財布、スマホ、小さなカメラ…
「もうヤッテラレルカ。我慢の限界だ。本日より我が国は全世界へのバナナの輸出を中止する。大…
趣味で小説を書くようになってもう2年になる。ペリカンの万年筆にゆっくりと濃紺のインクを吸…
本当に世界の片隅のこの街にこの伝染病がやってきたのはほんの数日前のことだった。1日あたりの感染者600名。ずっと0だった感染者カウンターが一気にくるくると回りだす。 世界各地で爆発的な感染が起こっている間もこの街の人々はどこか他人事だった。ニュースで近くの街での感染が近づいてきてもこの街の徹底的な隔離政策に穴はないと思っていた。今も隔離政策は保持されている。それなのにトロイの木馬のように街の内側からそれが壊されているのだ。
子猫はさびしそうに勇者サヨナラを見ている。拾いますか? はい ▶︎いいえ 土曜日の朝。一…
「お父さん、お父さん。昨日は桃太郎に何出てきた?」 「ん。キングギドラ」 「え、ホント?…
<メンヘラ> 「まりちゃん先輩??」 びっくりしすぎて本人の前では言わない呼び方をしてしま…
頭脳と身体的性能に優性遺伝子を持った人間たちがその他の人類を支配するようになってもう4半…
<まりちゃん先輩> 「ちわーっす」 久しぶりに事務所に顔を出す。自分の入れそうな日を探すた…
「じゃぁ今日の社会の授業は自習にしますが、ちょっといつもと変えて、時代についてそれぞれス…
その自動販売機は八百屋と電気屋の間の細い路地の角にあって、ベージュ色の表面にはところどころ赤錆が目立ち、ガラスは曇って色あせていた。 「明るい裸族計画」ガラス越しにやっと見える薄い説明には随分と個性的な文字が踊っている。 「なんだこれ。買ってみようか」それは全くの気まぐれだった。 アパートに戻り部屋の電気をつける。28歳一人暮らし。フリーター。明るい家族計画とはかけ離れた部屋で、ポケットからさっき手に入れた小さな紙の箱を取り出す。 「明るい裸族計画」 箱にはやはりそう書