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羊毛フェルトとグロテスク〜マイリトルゴート〜

こんにちは。ゆずゆです。
先日、見里朝希さんの短編パペットアニメ『マイリトルゴート』を鑑賞したのでレビューします。
ネタバレは避けておりますので、これからみてみようかな、とお考えの方の参考になれば幸いです。

『マイリトルゴート』はどんな話?

『マイリトルゴート』は童話「狼と七匹の子ヤギ」に着想を得て作られた短編パペットアニメです。
登場人物(動物?)はみな羊毛フェルトで作られており、とても愛らしいのですが、ストーリーはというと…

狼のお腹から子どもたちを助け出したお母さんヤギ。けれど、7匹いた子どものうち長男のトルクだけが見つかりません。悲しみにくれるお母さんヤギはある日、森で見つけた人間の男の子をトルクだと思い込み、連れて帰ります。「みんな、トルクお兄ちゃんが帰って来たわよ。森で迷っていたみたい。」家の奥から出てきた子どもたち。男の子と対面した彼らは狼の胃液で体毛は剥がれ、皮膚もただれて痛々しい姿で…

レビュー

これはスゴイ!
羊毛フェルトという可愛いらしい素材を用いながら、その造形はちょっぴりグロテスク。
展開もホラーで、男の子の目線で撮影されたカメラワークも相まって、みている方もドキドキします。
その一方で、子ヤギと男の子の交流にほっこりする場面も。
さらに、ストーリー全体から発せられる児童虐待という問題提起。
傑作です!
最初から最後まで惹きつけられっぱなしでした。
この作品、細部にものすごいこだわりを感じるんです。
羊毛フェルトで作られた人形たちは表情豊かで、目や耳まで生き生きと動いています。
他にも細かいところでは、子どもヤギの皮膚のただれ具合が一匹一匹違ったり、お母さんヤギが人間の男の子を連れて帰るところでかすかな声が聞こえたり。
みるたびに新しい発見があるので、ついつい二度三度と繰り返しみてしまいます。
最後の一瞬まで、本当に目が離せません。

以上、『マイリトルゴート』のあらすじとレビューをご紹介しました。
『マイリトルゴート』は、可愛いけどちょっとグロテスクなものが好きな方、考えさせられるストーリーにうなりたい方に特におすすめです。
ぜひ、ご覧になってみてください。




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