人はお金じゃ動かない


今日はタイトル通り、人はお金じゃ動かないってことを紐解きたいと思う。
しかしこういった意見もあるかもしれない。

「バイトのとき、なるべく給料の高い所で働いた」
「1000万くれるなら直ぐその会社に転職するわ」

みたいな「自分はお金ベースで物事を考えますよ」って意見。
確かに世の中、そういった人が多いのは事実だし、そのお金に執着する事は間違ったことではない。

では、人はお金では動かない、それはどういったことなのだろうか。
まず言えるのは
「確定でもらえるお金のために、人は動かない」
と言うことだ。

貰えるのが確定している。
自分は動こうか動かなろうが貰えるお金。
確かに「10万円あげるね!」と伝えた瞬間、10万のためにやる気になって頑張るが、1日寝たらやる気は消える。そして頭の中では「ま、どうせもらえるしな」と言う妥協に変わっていく。
もしかしたら「自分は頑張ったし、もらえて当然」とまで自分を肯定することすら思い始めるかもしれない。


「じゃあ、ちゃんとタスクの分だけ報酬を支払えば?」
と言う成果報酬を思うかもしれない。
しかしこれも無理な話で、
理由は以下の実験の結果である。

実験1

楽しくお絵描きをしていた子供に「お絵描きして偉いね!」と言って飴をあげた。
そしたら子供は飴をもらわないと絵を描かなくなった。

→報酬という動機付けがご褒美になってしまう。
→社会的な欲求が減り、経済的な欲求に目が行く
→褒美がないと動かなくなる

ここで言う社会的な欲求とは、達成感や成長感、有効感、有意味感、人間関係、承認感であり、
経済的な欲求とは、賃金、職場環境、労働時間である。


実験2

2クラスにテストをやらせ続けた。
Aクラスには「点数が高くてすごいね!」
と褒め、
Bクラスには「頑張って取り組んですごいね!」と褒めた。
そしたら、Bクラスの方が成績が伸びた。
結果を褒めたAクラスは、点数が低いときに隠そうとしたり、難しい問題を出すと結果が悪くなると分かっているので、挑戦をしなくなる。
しかしプロセスを褒めたBクラスはチャレンジすることが誉められるので、努力し続ける。

実験3

遅れてくる人が多かった。
なので罰金を作った。
そしたら、遅刻する人が増えてしまった。
これは、経済的罰則を設けることで、
社会的罰則が消えてしまった。
つまり遅れて来る罪悪感が無くなったのだ。

実験4

2グループに同じゲームをさせた。
Aグループにはお金を支払い
Bグループにはただやらせた。
そしたら、Aグループは休憩中にゲームをやめた。
しかしBグループは、休憩中であろうがゲームを続けた。
ゲームをする動機がお金だと、
内発的なものになってしまう。

実験5

ユダヤ人をいじめる子供に、「いじめてくれてありがとう」と言ってお金を渡した。
その次の日も「いじめてくれてありがとう」と言って前日の半分のお金を渡した。
そして毎日半額にしていきながら渡し続けた。
そして最後渡さなくなったら、いじめをやめた。


以上の実験から、お金というのは人のやる気にかなり影響を与えてしまうことがわかる。
そして賃金などの経済的要因に対しては、不満が増えやすい。
それに対し、達成感や成長感などの内側の動機だと、やりがいを感じる。

社会的報酬に対し、金銭がどうついてくるのか。
それを見直さないといけない。

結論、人はお金だけだと、歩合に対するお金をもらう時しか動かなくなる。
そして不満が蓄積され、結果全く動かなくなる。
社会的評価を重視する必要がある。


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