そばの流儀


卒論の調査で秩父に行った。
個人的にアポを取って、1人で行った。


自分にこんな行動力があるとは。
就活のおかげかもしれない。
就活で培った唯一の力。

あとはゴミ。
自分を見失ってただけで、何の意味もない。


久しぶりに秩父鉄道乗ったら、秩父が舞台のアニメ映画の装飾がなされているのに窓が黄ばみすぎてるし、椅子が硬すぎる。


普通にしっかりインタビューができた。
でもあとで録音した音声を聞いたら声のトーン低すぎるし、「あの」と「ちょっと」を言い過ぎてるからすぐ聞くのをやめた。

自分のネタ見るのと同じ感覚で無理。
もっとハキハキ喋れるようにボイトレにでも通おうかしら。


終わったらそばを喰らうと決めてた。


秩父と言えばそば。
夏と言えばそば。
俺と言えばそば。


そば大好き。
俺がもし力士だったら「貴乃蕎麦」という四股名を襲名するし
もしマグロ漁師だったら「そば大好き丸」という船に乗って沖に出ると思う。
そのくらい好き。


襲名って、普通誰かしらの部屋に入門してそこの親方につけてもらうから、自分の好きな名前にはできないことに気づいた。

フリーでやるしかない。フリーの力士。


どうやったらなれるのか調べようとして「力士 フリー」で検索したら力士のフリー素材がいっぱい出てきた。

そば屋までの道中で見つけた、子蛇の死骸
あまりにも珍しい
災厄の前触れでしょうか


そばの流儀

俺流の蕎麦の食べ方。

まずそのままいく、訳がない。
普通につゆにつけて食べる。

そのままいったら味がないでしょうに。
わさびは徐々に入れる。苦手なので。

次に天ぷら。もちろん塩でいく、とは限らない。
塩があるなら塩で、天つゆがあるなら天つゆで、おろしがあるならおろしでいく。

用意された調味料にべちゃづけして喰らう。


もう潰れてしまったけど、とり天にカレーパウダー(カレー塩?だったかも)をオヌヌメしてくれるうどん屋が近所にあった。
これ、ガチで美味い。

社会人になって余裕が生まれたら試したい。

【好きな天ぷら】
1位 かき揚げ
2位 しそ
3位 まいたけ
4位 げそ
5位 紅しょうが
(その時の気分によって変動)


最後にそば湯。必ず飲む。
これよこれ、という顔をしながら飲む。


これが俺のそばの流儀。



そば屋、到着。

ちょいとお値段高めのそば屋に、開店と同時に入店。
平日ということもあり、俺とおじさんもう1人しかまだ客がいなかった。


おじさんが座ったお座敷卓の斜め向かいに座る。

こんな感じ


ここで事件発生。

おじさん、「山くるみ汁そば」の大盛りを2つ注文_____


信じられない。
高級なそば屋でやることですか。


店員には当然聞き返されていた。
そしたら少し照れ気味に「あ、2つ…///」と言っていた。

あと「薬味なしで」とか言ってた。
家で食え。


おじさんに動揺させられるも、ここで俺氏、格の違いを見せつける。


1番人気の「山くるみ汁 まいたけ天ざるそば」を注文。

1500円。高い。
でも今日は景気付けると決めた。


とことん贅沢しようと思って、「大盛りはいくらですか」と聞いたら『350円です』と返ってきてさすがに躊躇した。

しかしもう後には引けない。
ただでさえ若造だということで、舐められているのだから。

思い切って大盛りを注文。
1850円。高すぎる。


一方、おじさんは950円の山くるみ汁そばの大盛りを2つ注文していたので、

(950+350)×2=2600円。


そばいっぱい食べるだけなら、500円くらいで自分で作れるだろ。

満足度的には俺の方が高いと信じたい。

おいしい


くるみ汁そばガチで美味いから食べたことない人はぜひ



いつも通りのルーティンでそばを食していた。

しかし、いつもと違う点が1つ。

左斜め向かいに、豪快にそばをすするおじさん_____

海外では麺を啜って食べる文化がないらしく、日本人に対して「ヌードルハラスメント」という言葉が使われたりするだとか。

このおじさんはさぞかし怒られると思う。
コロンビアとかだったら威嚇発砲くらいは受けるかもしれない。

まじでなんなんだこの人。
落ち着いて食えやしない。
つい視線がいってしまう。


よく見たら「筋肉は裏切らないけど関節は平気で裏切る」と書かれたTシャツを着ている。

別にマッチョではなかった。

俺より早く完食したおじさんが、平らげた大盛り2杯を満足そうに写真に撮っていた。
そしてそば湯をつゆに入れずそのまま飲んでいた。

もう見慣れた。この程度じゃ驚かない。

しかし油断したのもつかの間。


席を立ったおじさんのショルダーバッグに、クロミちゃんのストラップ_____


すべてを終わりにしてしまおうかと思った。
まじで早くどっか行ってくれ。


無事、完食。

当たり前。
でもお腹いっぱい。

そばは腹7分目くらいで留めておくのがツウだと信じている。
大盛りしたことをかなり後悔した。


そして、そば湯のフェーズに突入。
ふとここでさっきのおじさんがそば湯だけを飲んでいたことを思い出す。


試しに1口。



おいしい(迫真)

なんだこれは。
つゆ割にしなくても美味いではないか。

薄いそばの風味が食後にちょうどいい。
そば茶もあるくらいだからそのままでも美味いの当たり前かもだけど。
意外と常識なのかこれ?


奇しくも俺のそばの流儀はキテレツおじさんによって改められてしまった。


ありがとう、おじさん。



帰りに秩父神社に寄った。


そば屋で1850円使ったし、賽銭で50円、おみくじで100円使えばきっちり2000円になるな

とか考えた自分があまりにもA型でキモかった。

コンビニATMで金おろして220円の手数料取られたことを思い出して、普通にやめた。

賽銭で50円とかもったいないし。


200円の勾玉のおみくじをひいた


景観に配慮したファミマ


景観に配慮していないセブン

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