柊野小学校

みなさんは、小学校の同級生は何人いますか?

僕の小学校の同級生は、女の子2人です。

みなさんの小学校は、全校生徒何人でしたか?

僕の小学校の全校生徒は、13人です。

僕の通ってた柊野小学校は、複式学級と言われるシステムでした。

複式学級とは、1年生と2年生、3年生と4年生、5年生と6年生がそれぞれ一緒のクラスで授業を受けます。

はい。もう聞こえてきました。
頭の固い人達の
「え?どうやって授業すんの?」

はいはい。お答えしましょう。

みなさんの教室には、黒板が前と後ろに2個ありませんでしたか?
朝の会と帰りの会は一緒に行いますが。
授業になると、1年生が前の黒板に机を向けて、2年生は後ろの黒板に机を向けます。

そして、先生が前と後ろを行ったり来たりして授業を行います。
授業の半分が、自習になるわけですね。
他の2クラスも同様です。

ただ人数が少ないため授業の進みが尋常じゃなく早いです。
1年生の時にすでに2年生の授業を聞いているので、2年間で予習と復習をしているんですね。

今になって思うのですが、画期的なシステムですね。僕は、学生時代けっこうなかしこだったんですが。
複式学級のおかげかもしれませんね。

本当にあっという間に授業が終わっちゃいます。
小学校6年生の3学期に入る頃には、もう授業ですることがありませんでした。

そこで、小学校6年生の3学期を飼育小屋の看板の絵を描くことに費やしました。

だから!!!
小学校6年生の3学期は、飼育小屋の看板の絵を描いて過ごしました!!!
僕は、宇宙エリア担当でした。

もちろんみなさんの想像通り。
小学校の卒業式の1人1人に割り振られるセリフの量は、主演級です。
みんなが主役。

小学校の卒業記念品授与で。
体育館の舞台で、校長先生からみかんの木をもらう同級生の女の子を涙ぐみながら眺めたことを昨日のように覚えています。
僕は、梨の木をもらいました。
みなさんは、何の木をもらいましたか?

みなさんは、小学校の休み時間に何をして過ごしましたか?

サッカー?バスケ?バトミントン?

僕も男子と一緒にサッカーをして過ごしましたよ。
まあ、小学校の男子の人数全部合わせても6人ぐらいしかいないんですけどね。
さらに、サッカーやりたい子集めたら4人ぐらい。

また聞こえてきました。

頭の固い人達の
「2対2は無理でしょ。」
「キーパー置いたら、1on1じゃん。」

人とは、考える生き物です。
どうやったら、みんながたくさんボールを触れるか。

考えた結果
キーパーを1人置く。
1人が、コーナーキックを蹴る。
残りの2人が、そのボールに合わせる。

はい。セットプレーというやつですね。
来る日も来る日もセットプレー。
「もうちょい長くちょうだい」ってよく要求してたっけ?

みなさんは、修学旅行にどこに行きましたか?

僕たちは、5.6年生が一緒に修学旅行に行きます。
5.6年生全員合わせても6人。
他の小学校には取れる団体割引が取れません。

また言ってるな。

「そりゃ、そうでしょ。」
「家族旅行じゃん。」

みなさんにはまだ言ってませんでしたが、柊野以外にも宮之城には似たような村があります。

泊野。平川。白男川。
これに、柊野を足した4校の5.6年生が集まれば。20人近くになります。
団体割引が取れるのです。

「よし、この4校で修学旅行に行こう。」
「この4校で、班を作ろう。」
と先生達は、意気揚々です。

気づきましたか?
そうです。
僕たちの修学旅行は、
一言も話したことない人と同じ部屋に泊まり、一言も話したことない人と遊園地を周ります。

どれだけ楽しい修学旅行になるか。
その子達、1人1人の社交性のポテンシャルに懸かっています。
自分の知らない自分を引っ張り出さないと修学旅行が楽しめないのです。

今思うと、失敗したら、とんでもないトラウマを負うところだったな。

僕の社交性や人懐っこさは、こういう所で養われたのかもしれませんね。

同級生の男の子がいないから、無邪気さと小生意気さを駆使して、中学生や高校生によく遊んでもらっていました。

みなさんは、運動会ではどんな競技がありましたか?

運動会は一緒だと思います。
応援合戦、かけっこ、親子リレー、全員リレー。

「いや、13人だったら2時間で終わんじゃん。」
「もののけ姫より短いじゃん。」

って?

小学生の競技だけだとそうです。
だから、柊野の全員を引っ張り出して運動会をやるんです。
中学生や高校生、20代、30代、40代。
70代のおじいちゃんおばあちゃんも引っ張り出してきます。

名前も「ふるさと大運動会」です。
正式に言うと、柊野小学校の運動会なんてありません。
柊野の運動会に、小学生の競技があるという感覚です。

「そんなにおじいちゃん、おばあちゃんを引っ張り出してきて、何の競技をや(手で無理矢理口を塞ぐ)」

そんなのいっぱいあるでしょ。

・輪投げ。
・ラグビーボールを投げて、何バウンドでキャッチ出来るか。
・藁をどれだけ長く編めるか。
・バケツに入った水を小さいコップで掬って、どのチームが1番早く一升瓶を満杯に出来るか。

など。です。
みなさんは、どの競技に出たいですか?

ちなみに、僕は、一升瓶の審判を中学高校の6年間しました。
6度満杯になった一升瓶を高らかと空に掲げました。

これが僕の通った柊野小学校の実態です。

田舎の人は、健やかにのびのびと育つ。

違います。

人見知りとか小心者とか言ってられないのです。
強く生きようと強く育とうとしないと。
あっという間に飲み込まれます。

何度も公民館で酔っ払った友達のお父さんに、投げ飛ばされて、畳で擦り傷を作って。
それでも。
立ち上がり挑み続けるのです。








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