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【2024年9月22日】実家の固定電話を解約した

 実家の親から「手伝って欲しいことがある」という連絡が来た。
 話を聞くと、「NTTの固定電話を使わないので解約したい」とのことだった。

 今は携帯電話があれば充分。たまに固定電話のほうに掛かってくることもあるけど、大半が営業の電話。それと明らかに怪しげな電話。固定電話があるとむしろ危険。
 親の世代には携帯電話へ謎の不信感を持ってる人がたまにいて、親の知り合いの中には、携帯電話の番号を教えても固定電話のほうに掛けてくる人がいるらしい。でも、そういう人でも固定電話がなくなれば携帯電話のほうに掛けてくるだろう。それでも携帯電話に掛けてこない人はもう知らん。

 そんな話を長々と聞かされたが、親が固定電話を解約する理由とか僕は全く興味ない。解約したいんだったら解約すればいい。ただそれだけの事。

 っていうか、固定電話の解約手続きを僕がやるのは違うんじゃない?
 手続きなんて簡単に出来るだろうし、本人確認とか、今後の諸々の手続き作業の確認とか、色々あるだろうから本人がやったほうがいいでしょ。実家に住んでいない僕のほうで解約手続きしたら、後から二度手間、三度手間になって面倒臭くなるよ絶対に。
 だから、僕は親から解約手続きを頼まれても「僕がやることじゃない」「自分でやって」と断った。
 それでも、親は「自分でやろうとしたけど分からなかった」「変なこと言ってきて意味が分からない」と言う。僕が何度断っても、何度も言い返してくる。不毛なやり取り。時間の無駄。
 ああ、これはあれだ。やってしまったほうが早く終わるパターンだ。と思ったので、不本意ではあるけど、固定電話の解約手続きを僕のほうでやってあげることにした。

 NTTの手続きを行う電話番号を親に聞いて、僕のスマホからそこに掛けてみる。
 定型の音声が流れてくる。「〇〇の手続きの方は1番、〇〇の手続きの方は2番……」というのを順番に進めていくやつ。よくあるやつじゃん。普通じゃん。これの何が分からないのというのだ。言われたとおりに番号を押して行って、人間のオペレーターにつながるのを待てばいいだけでしょ。
 なんて思ってたら、人間のオペレーターにつながらず、音声の説明は唐突に終わって電話は切れた。最後に流れた音声で言っていたのは、「手続きはショートメッセージで送ります」

 スマホを確認すると、ショートメッセージの着信があって、見てみると、ホームページのアドレスへのリンクが記載されていた。そのホームページにアクセスして見ると、解約手続きするページだった。

 状況を確認してから、親にあらためて連絡した。
 親は「ショートメッセージ」というのが何のことか分からなかったようだ。親が携帯電話で使っている連絡手段は電話とLINE、それとたまにメール。ショートメッセージは使っていない。
 だから、「ショートメッセージ」という言葉を知らなくて聞き取れず、解約手続きの電話をしても「変なことを言って急に切られる」という状況に感じたようだ。
 NTT阿呆かよ。電話の手続きを電話でできないってどういうことさ。電話の会社が電話を放棄するなよ。まさか解約手続きだからわざと回りくどい方法にしてるわけじゃないよね。NTTの阿呆。

 その後も面倒臭いことがいくつかあったが、最終的にNTTの固定電話の解約は完了した。

 実家の電話が、無くなった。

 僕が子供の頃、連絡手段は家の固定電話しかなかった。今ならLINEやメールで一言入れておけばいいようなことでも、あの頃は家に電話するしかなかった。
 小学校低学年の頃から、家の電話番号を暗記するのが必須だった。そして外出する時にはハンカチやティッシュと共に10円玉を必ず持ち歩いていた。
 外で迷子になっても、家の電話番号を覚えていて10円さえ持っていれば、公衆電話から家に電話できて親に連絡できる。
 小学生の頃、友達数人でバスに乗って遠出して、帰りに乗るバスを間違って全然違うところに行ってしまったことがあった。でも、家の電話番号を覚えていて10円持っていたので、公衆電話から家に電話できて、迎えに来てもらって無事に家に帰れた。

 今はもう実家の固定電話なんてしばらく掛けてない。少なくとも10年以上は掛けてないと思う。
 それでも、実家の電話番号は今もしっかり覚えてる。
 今の自分の携帯電話の番号すらたまにド忘れする時があるけど、実家の電話番号は忘れない。
 電話番号なんてただの数字。特に思い入れがあるわけでもないただの数字。今はもう全く使っていないただの数字。
 でも、その数字が無くなるのは何だかちょっとだけ寂しい。子供の頃から使っていたものが無くなるのは寂しい。ちょっとだけ、ね。

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