【ショートショート】最高の晩御飯
朝日が眩しくて目を細めながら、まだ人の少ない街並みを颯爽と歩いていく。無機質なビルに囲まれたこの街にも、たくさんの人の暮らしがあり、様々な動物が息づいている。毎日、同じ道を歩いているが、同じ風景を見ることは一日たりともない。
でも僕の頭の中は、いつも同じだ。
「今日の晩御飯は何かな?」
晩御飯の楽しみが、僕の一日の活力になっている。
有名なお店で外食の予定があるわけでもない。仲の良い友達との飲み会があるわけではない。自宅の晩御飯が楽しみなのだ。むしろ外食の誘いは全て断