「千湯一湯物語」第3話 『出征軍人』
これは、入居者の方から、入浴及びお部屋清掃の折に聞かせて頂いた昔の思い出のうち、特に、その時代を感じさせるお話を記録したものです。
第3話 『出征軍人』 入居者 J.K様のお話 『実はね、私は画家になりたかったんです。いや、美術の先生が、「君にはその才能がある」と言われましてね。 父親に相談したんですが、一喝されました・・・
結局、手先が器用だったので、軍隊退役後に、家具職人になりました。 今は、夢に向かって自由に学問や職業が選択できる時代になりましたよ。』
追伸 そういえばJ.K様には、こんなエピソードがありました。 銀木犀では、入居者の誕生日にバースデーカードを送りますが、 その日の夕食時に、食堂で突然起立をし、礼を述べられたのが印象的でした。 『私J.Kは、本日XX歳になりますが、お祝いを頂き誠に恐縮であります・・』 まるで、出征軍人を見るようでありました。
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