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ヅカデミー賞2022 結果発表【男役部門】


第1位 月組 鳳月杏 3票

第2位(順不同) 
雪組 彩風咲奈  雪組 朝美絢  宙組 桜木みなと それぞれ2票

花組 永久輝せあ、月組 月城かなと、雪組 眞ノ宮るい、星組 礼真琴、宙組 留依蒔世、専科 一樹千尋 それぞれ1票でした。


花組は星風まどかを相手役に迎えたトップスター柚香光が一層の進化と変化を遂げた一年でした。
視野がさらに広がり、力みが軽減されたことで逆に組を牽引する推進力が生まれたように思います。


水美舞斗は愛嬌や情熱をはじめ様々な表現に貫禄や大人の色気を帯びるようになり、心技体全てが高いレベルで整った一年に。
花組を離れるのは大変残念ですが、専科に選ばれたのには必ず理由があるはず。
専科でしか得られない経験、実績は必ず宝塚での次のステップに活きると信じています。


飛龍つかさの退団は本当に惜しまれます。主演で広がる景色はきっとあったはずですが、退団の最後の日まで夢と素晴らしい実力を魅せてくれました。



月組では「グレート・ギャツビー」から3番手の役割を担った風間柚乃が組を支え、核となる存在に。
安心感、安定感はもちろんのこと、どんな役や場面でも自分の殻を破ろうとする強い意志に今まで以上の輝きを見ました。


礼華はるは長身を活かしたダンスや所作を体得しつつあります。
身体の軸がしっかりしているので無駄な動きやブレがなく、最適かつ最短距離で踊る姿は美しい残像を描いています。



和希そらは組替えという変化を力にできるスターであることを証明しました。
彼女は気負いで自分のペースを見出すようなことはなく、スムーズに雪組に調和。
本質のみを追求する役作りに磨きをかけ、特に「蒼穹の昴」の順桂では地底のマグマのような熱い想いを冷静に銀橋ソロで歌い上げました。
この場面は2022年の宝塚歌劇名場面の一つだと思います。


眞ノ宮るいは特に「CITY HUNTER」の北尾刑事から私も注目していて、「蒼穹の昴」の黒牡丹でさらに惹き込まれています。
ギラギラした濃さというより、役へのストイックさ、深さが光る印象です。



2022年も焦らず、着実な、確かな一歩を。
瀬央ゆりあは歩みの速度や歩幅よりも、一歩をきちんと深く踏み締め、次の一歩にそのエネルギーを伝えることができるスターです。
大器晩成、そのスケールの大きさをはっきりと実感できた1年であり、特に「ディミトリ」で演じたジャラルッディーンの懐の深さは本物の証でした。


「ブエノスアイレスの風」主演で大人の男役への階段を登る、というより飛躍した暁千星は、星組に温かく迎えられ、早速エネルギー全開で舞台を躍動しています。
組替えで彼女の色が変わるわけではなく、色が加わって多彩(多才)になるのだと思います。すでにその片鱗を魅せてくれています。



究極の男役、真風涼帆にしかない男役芸、トップスター像。
その輪郭を明確に描き、解像度を高めた2022年。
「NEVER SAY GOODBYE」という宙組の歴史的傑作の再演を包容力のあるリーダーシップで見事に成功させ、LDHとのコラボも変化を楽しみ柔軟かつ意欲的に取り組みました。
組子もトップスターへの信頼があるから、留まることなく様々な挑戦できるのだと思います。
ジェームス・ボンドはきっと彼女が辿り着くべき究極の境地であり、期待を超えてくれるという期待しかありません。



颯爽と登場し、華麗に舞い、深く鋭く、時に妖艶に歌い上げる。
円熟と至高のパフォーマンス、その瞬発力も持続力も圧倒的な芹香斗亜の2022年には陶酔するしかありません。
これだけの経験、実績、実力がありながら、最近は若々しさや透明感も増しているように感じます。
謙虚に努力し続ける人は、余計なものが削ぎ落とされるのでしょうか。
私は彼女の未来を信じて、これからも彼女の一瞬一瞬を愛し抜きます。

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