銀橋

宝塚歌劇の研究者兼ミーハーなファンです。 2020年6月までの記事は https:/…

銀橋

宝塚歌劇の研究者兼ミーハーなファンです。 2020年6月までの記事は https://ameblo.jp/revueist/

マガジン

最近の記事

和希そらの退団発表に想う

心にぽっかりと穴があきました。 あいた穴から、笑顔の彼女がこちらを覗いています。 何かを企んでいる時の、幸せにしてくれる時の、不敵な笑み。 和希そらは、私の心をあけっぱなしにしない人です。 今までも、そしてこれからも。 あまりにも鋭く突きつけられた現実も、彼女がこれまで魅せてきたパフォーマンスのストレートな鋭さと熱さを考えれば、わずかでも和らぐのではないかと。 もがくように想いを馳せています。 別れるために出会った訳じゃないはず。 「出会えて心からよかった」が永遠で

    • 真風涼帆の退団に捧ぐ

      2023年6月11日、宝塚歌劇団宙組トップスター 真風涼帆が退団します。 究極の男役が、その歩みを止めることなく究極の先を目指し続けて迎えた日。 真風涼帆という男役の型、トップスターの型が宝塚の歴史に永遠に刻み込まれる日。 安蘭けい、柚希礼音、紅ゆずる、朝夏まなと・・・真風涼帆の舞台には彼女たちの宝塚に対する愛や哲学のようなものを感じることがあります。 (もちろん影響を受けたスターは彼女達だけではありませんが) 受け継ごうという強い意志だけでなく、無意識のうちに受け継

      • 潤花の退団に捧ぐ

        自由に躍動する豊かな個性、表現。 挑み続けた娘役の道。 2023年6月11日、潤花は退団する今日もきっと宙高く舞うでしょう。 配慮はあっても無用な遠慮はしない彼女のキャラクターは、塞ぎがちな時代と社会に生きる私達の心を軽やかに解放してくれました。 そつなく無難にこなすよりも、失敗を恐れず明るくチャレンジする姿勢。 前例がないことを恐れず夢中に舞台と向き合った結果、彼女は伸びやかな開拓者となりました。 障壁や不安がなかったわけではないでしょう。 それでも、 「頑

        • 有沙瞳の退団発表に想う

          彼女は可憐に愛と情熱を燃やし続けています。 調和しながらも流されることなく、意志の力でどんな役、歌、ダンスも美しく力強く成し遂げてきました。 彼女には振り返らずともその輝きが前方に注ぎ込むような栄光の歴史があり、未来からはさらに眩い栄光が差し込んできます。 その栄光は表面だけの薄いものではなく、地道な努力、鍛錬、そして宝塚とお客様を愛する心によって築き上げられたものです。 決して折れない花というより、折れそうで曲がりかけてもまた元に戻るしなやかな花のイメージです。

        和希そらの退団発表に想う

        マガジン

        • 記事
          109本

        記事

          芹香斗亜の次期宙組トップスター就任決定に寄せて

          何があっても信じていました。 信じ続けてきました。 信じることに力んでいた時期があったのかもしれません。 しかし、彼女の圧倒的かつ進化し続ける実力と魅力を前に、穏やかに信じるようになりました。 彼女は栄光への道を歩んでいるのだ、と。 しかも、その道も栄光であるのだ、と。 全てはこの日のために。 この日までを愛し、この日からはまた違った景色を愛することができます。 それ以上でも以下でもない事実や些細な出来事を、「そうならない理由」として分析、解釈する声が全く聞こえ

          芹香斗亜の次期宙組トップスター就任決定に寄せて

          【妄走劇場】ヅカ箱根駅伝2023〜完全版〜

          【1区】 歌劇学院大学は珍しく出遅れることなく、むしろ礼真琴選手による超絶技巧のジョージアンダンスのステップで首位を独走。 過去に自分を陥れたライバル校の選手達を逆に様々な罠に嵌め、婚約者の待つ鶴見へ。 区間賞の喜びも束の間、警備の手薄な運営管理車に乗り込む監督の暗殺をほう助した罪でキリンビール横浜工場に幽閉されます。 暗殺者は言いました。 「裏切り者がいる・・・」 【2区】 花の2区、横浜を走るのはこの地区を守る真風涼帆選手(山王高)。 100発殴られても走り

          【妄走劇場】ヅカ箱根駅伝2023〜完全版〜

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞「娘役部門」

          雪組 朝月希和 「メリー・クリスマス!」 2022年12月25日(日)、雪組東京宝塚劇場公演千穐楽。 朝月希和は優しい笑顔で退団のご挨拶を始めました。 無事、千穐楽まで完走できたこと。 千穐楽を皆で迎えることができたこと。 退団のご挨拶なのに、自分のことというより公演やカンパニーのメンバー、客席をはじめこの瞬間を観ている全てのファンと幸せを分かち合うような一言目に、彼女の人柄が滲み出ていました。 公演の中止を経験し、常にいつどうなるか分からない中でモチベーションやコ

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞「娘役部門」

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞「男役部門」

          月組 鳳月杏 2022年に出演したすべての作品を私が観劇できたという幸運を差し引いても、鳳月杏の活躍、実績は間違いないと確信しています。 彼女は2番手、主演といった立場や役割をきちんと果たした上で、「タカラジェンヌ」「舞台人」であることに集中し、もっと大きな存在=芸術家として常に邪念のない洗練されたパフォーマンスを魅せてくれます。 俊藤龍之介、トリトン、トム・ブキャナン、ロレンシオ、アルバレス侯爵・・・個性の強い、クセのある役が多かった1年です。 しかし、どの役も物語

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞「男役部門」

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞【ショー部門】

          宙組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演 「Capricciosa(カプリチョーザ)!!」ー 心のままにー すごくシンプルな理由なのですが、私にとっては最も明るく楽しく朗らかに、そして何よりも心のままに楽しむことができたショーだからです。 イタリアが舞台のお芝居、イタリアの場面があるショー、似て非なるスペインが舞台のショー・・・ 実は「全編イタリアが舞台」かつ「イタリアのいろんな街を巡る」ショー作品ってほとんどないのではないかと思いました(記憶の限りでは少なくとも私は観たことが

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞【ショー部門】

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞【芝居部門】

          銀橋賞は私の1票です。 皆さんと同様、主観で2022年最高だと思うお芝居、ショー、男役、娘役を選んでいます。 芝居部門から発表いたします。 星組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演 「めぐり会いは再び next generation -真夜中の依頼人(ミッドナイト・ガールフレンド)- 」 2011年の1st season、翌年の2nd seasonから10年の時を超えて生まれた続編(3rd season)で、私の知る限り宝塚歌劇ではこれまでにない新しいスタイルの物語、作品だと

          ヅカデミー賞2022 銀橋賞【芝居部門】

          【妄走劇場】ヅカ箱根駅伝2022〜完全版〜 

          前年のタカラジェンヌ達の活躍に感謝を込め、お正月気分で振り返る妄走劇場「ヅカ箱根駅伝」。 2022年の総集編をお届けいたします。 歌劇学院大学1区の珠城りょう選手はまだスタートしていません…いや、先輩に撃たれて亡くなっているとの情報が。 しかし中継1号車の情報によると、料理上手で愛妻家の男が「彼が見える。1位で鶴見に着いた」と証言しているとのこと。しかしカメラには一度も映っていません… <番宣> 珠城選手を撃ったのは誰なのか・・・犯人の真の目的は・・・⁉️ 土曜ワイド劇場

          【妄走劇場】ヅカ箱根駅伝2022〜完全版〜 

          ヅカデミー賞2022 結果発表【娘役部門】

          第1位 雪組 朝月希和 3票 第2位(順不同) 月組 彩みちる  星組 有沙瞳  それぞれ2票 花組 音くり寿、月組 海乃美月、月組 菜々乃あり、星組 舞空瞳、宙組 潤花  それぞれ1票 花組は星風まどかが宙組時代から新たな個性を纏って目が離せない存在に。 配役を差し引いても大人の女役の魅力が溢れており、貫禄すら感じられます。 これは異動による突然変異などではなく、真風涼帆の相手役を努め、宙組で育ち、育てられて身についたものが開花したのだと思います。 また、柚香光に導か

          ヅカデミー賞2022 結果発表【娘役部門】

          ヅカデミー賞2022 結果発表【男役部門】

          第1位 月組 鳳月杏 3票 第2位(順不同)  雪組 彩風咲奈  雪組 朝美絢  宙組 桜木みなと それぞれ2票 花組 永久輝せあ、月組 月城かなと、雪組 眞ノ宮るい、星組 礼真琴、宙組 留依蒔世、専科 一樹千尋 それぞれ1票でした。 花組は星風まどかを相手役に迎えたトップスター柚香光が一層の進化と変化を遂げた一年でした。 視野がさらに広がり、力みが軽減されたことで逆に組を牽引する推進力が生まれたように思います。 水美舞斗は愛嬌や情熱をはじめ様々な表現に貫禄や大人の色

          ヅカデミー賞2022 結果発表【男役部門】

          ヅカデミー賞2022 結果発表【ショー部門】

          第1位 雪組梅田芸術劇場メインホール公演 「ODYSSEY(オデッセイ)-The Age of Discovery-」 4票 第2位 星組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演 「Gran Cantante(グラン カンタンテ)!!」 3票 第3位 月組舞浜アンフィシアター公演 「Rain on Neptune」 2票 花組「Fashionable Empire」、雪組「Sensational!」がそれぞれ1票でした。 2022年は個人的にショーの数が少なかったような印象があり

          ヅカデミー賞2022 結果発表【ショー部門】

          ヅカデミー賞2022 結果発表【芝居部門】

          今回も結果発表は年をまたぐことになりそうですが、ごゆっくりお付き合いくださいませ。 例年お伝えしている通り、「結果」は投票してくださった方々のコメントが全てではありますが、私からもコメントさせていただきます。 第1位 雪組宝塚大劇場/東京宝塚劇場公演 「蒼穹の昴」 7票 第2位 雪組梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ/日本青年館ホール公演 「心中・恋の大和路」 2票  花組「冬霞の巴里」、月組「ELPIDIO ~希望という名の男~ 」、雪組「夢介千両みやげ」、星組「王

          ヅカデミー賞2022 結果発表【芝居部門】

          【御礼】ヅカデミー賞2022

          一昨日、12月27日(火)にヅカデミー賞2022の投票受付を終了いたしました。 今年も想いのこもった愛ある投票(コメント)をいただき、ありがとうございました。 ご覧いただいた皆様にも感謝いたします。 お一人お一人、一票ずつ読ませていただき、2022年の宝塚歌劇の充実を噛み締めています。 舞台を創って下さる全ての方々への感謝の気持ちを改めてお伝えしたいです。 今年に限らず、いつも本当にありがとうございます。 一昨日、歌劇団内部での極めて卑劣で許せない行為に関する報道を見

          【御礼】ヅカデミー賞2022