2023年:選ばれてはいない石をみがく

 今年は二本の短編を発表できました。バレエと衣裳をテーマにした一般文芸「宝石さがし」(紙魚の手帖 vol.10掲載)と、第13回創元SF短編賞受賞作「風になるにはまだ」と同じ世界を描いた「手のなかに花なんて」(紙魚の手帖 vol.12掲載)です。
 掲載誌が発売されたときは、受賞作が世に出たときとは違う緊張がありました。受賞作であれば多くの応募作のなかから選んでいただいたものだという事実もありますし、選評で褒めていただいてもいたので、かなり心強かったのだろうな、と思います。
「宝石さがし」で慣れたかと思いきや、「手のなかに花なんて」はこの先も続く連作になるので、これがいまいちだったら困る……という別の心配がやって来ました。
 さいわいにも、どちらの短編にも嬉しい感想をいただいて安堵しました。
 自分で原稿やアイディアのよしあしがわかるようになっていきたいのですが、今のところプロットやら原稿やらゲラやらを出すたびに自信のあるなしで反復横跳びです。困りますね。

 今年はイベントにも参加しました。SFカーニバルやSF大会では、たくさんのかたとお話をして、楽しい時間を過ごすことができました。日本SF作家クラブに入会したこともあり、SFにあふれた一年でした。

 来年はいっぱい読んでいっぱい書けたらいいなと思っています。
 単著を目指してじりじり前進しつつ、おもしろいことには積極的に突っこんでいきたいです。
 どうぞよろしくお願いいたします。


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