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VPL試験対策・点数計算問題のちょっとしたコツ

さて、これほどまでに麻雀のプロ試験が取り沙汰されることも過去無かったと思うので、自分が持っている知識で点数計算問題のコツというか、土壇場で頼れる力業をひとつ紹介しておきたい。

まず、この記事の対象としている読者についての話をする。点数計算がよくわからない、という人は恐らく麻雀を日常的に打つ層の中にもかなりの割合で存在すると思っているが、「よくわからない」にはかなりの幅がある。段階別で書こう。

①そもそも役が把握できてない
②どんな場面であっても自信を持ってすぐに点数申告が出来ない。もしくは全く出来ない。
③頻出ゾーン(20符~40符)くらいはパッと言える。
④時間を掛ければ加符のカウントも出来るが、点数表を暗記していないので分かる範囲までしか分からない(大体の場合50符か70符まで?)
⑤いついかなる場面でも和了形から正しい点数が申告出来る。

今回、この記事で対象としている読者は④だ。すなわち、点数の「計算」が出来るものの、マイナーなゾーンに関しては暗記をしていないのでプロ試験で出て来るようなあまりにもややこしい点数計算問題は時間が掛かるぞ、という人を対象としている。ちなみに②や③の状態でプロ試験を受けようとしている人に関しては、相応のレベルのnote記事が既に出ていたり解説動画があると思うので、あえて私がカバーしなくてもいいかなと考えているがニーズがありそうなら頑張って書くから言ってほしい。

ちなみにひとつ断りを入れておくと、実は私も上の区分で言うと④だ。110符みたいな都市伝説的点数は、はっきり言って脳味噌のメモリを割くのももったいないので覚えていない。それでも、解きたい時に解ければよいのだ。私が「暗記」の範囲で言える一番複雑な点数が「1200-2300」である。それ以外は全部応用でなんとかしている、というのが実状である。

というわけで、早速解き方のコツを紹介していこう。

まず最初に断言すると、クソややこしい点数計算問題で出て来る手は、全て「1翻か2翻」に限定される。何故かといえば3翻は60符から7700になってしまうので、符ハネしまくって意味不明、みたいなゾーンまで辿り着かないからである。
という前提を踏まえてクソややこしい問題を解く重要なキーワードを紹介しよう。それは

「子の10符1翻は320点」である

これだけ。マジでこれだけで構わないので、ここの数値だけを丸暗記してほしい。しつこいようだが繰り返す。

「子の10符1翻は320点」

実際問題リーチ麻雀は副底が20符ついてくるので10符なんて点数は存在しないのだが、この存在しない点数を覚えておくと非常に計算が楽になる。実例を見ていこう。

※東場の南家とする

さて、何点だろうか。私も計算せずに画像をジェネレートしたので、書きながら計算していこうと思う。

副底20符+發暗刻8符+ツモ2符+9s暗槓32符=62符(切り上げ70符)

そして役はツモ、發で2翻だ。さて、あなたが70符2翻のツモを暗記していなかったとしよう(実際問題ここまでは多分ギリギリ暗記しておいた方がいいのだが)。最初に何を考えるか?そう、

「子の10符1翻は320点」

だ。麻雀の点数計算は、符を基礎点として、翻数のぶん2の累乗を掛けるという計算式になっている。今回の場合は、「10符1翻に7を掛けて2倍すれば答えになる」という考え方が出来るのだ。というわけで

320×7(70符だから)×2(2翻だから)=4480点⇒切り上げ4500

となる。今回はツモ和了なのでこれを分配しなければいけない。分配の原則も決まっていて、子は既に切り上げされた和了点を4で割った値を切り上げた数、親は同じく切り上げされた和了点を2で割った値を切り上げた数、となる。ここの切り上げのタイミングを間違えるとミスに繋がるので、これもある程度の慣れは必要だ。

今回の場合は子が4500÷4=1125⇒切り上げ1200
親が4500÷2=2250⇒切り上げ2300

ということで、これが私がギリギリ暗記している限度と冒頭に書いた「1200-2300」のツモ和了となる。

もう1題くらい例題を出そう

東場の東家とする


ちなみにこれはヒントというかもう試験中の心構えみたいなものであるが、こういった問題を見た瞬間に「バカみたいな大明槓してんじゃねえよ」みたいな思考に時間を囚われるのは非常にもったいない。もう一種のパズルみたいなものだと考えて、牌姿の異常性はスルー出来るようになろう。

というわけで、役は三色同刻のみだ。仕方ない。冒頭に書いた通り複雑な点数計算問題は2翻までしか使えないので、変な三槓子みたいな牌姿がたくさん出て来る。加符は

副底20符+カンチャン待ち2符+9s暗刻8符+發雀頭2符+9p大明槓16符+9m暗槓32符+ツモ2符=82符(切り上げ90符)

である。90符2翻。わからない。いよいよ私が即答出来ないゾーンの点数計算に突入である。しかし何のことはない、これも

「子の10符1翻は320点」

を知っていれば簡単に解けるはずである。今回は親なので1.5倍を忘れずに掛ける必要があるが、逆に言えば注意点はそれだけだ。

320×1.5(親だから)×9(90符だから)×2(2翻だから)=8640点⇒切り上げ8700点

見たこと無い。見たこと無いぞこんな点数。合ってるものとしてツモ和了なのでツモ分も計算しよう。親のツモ和了の場合は三人から平等に徴収するだけなので、和了点を3で割って切り上げた値にすればいい。

8700÷3=2900

割り切れてしまった。というわけで正解は多分「2900オール」である。死ぬほど自信が無いので後でググっておくこととする

※全文書き終えた後の追記:合ってました

どうだろうか。ややこしい計算問題でも、ちょっとした掛け算は必要になるが、最悪暗算でどうにかなるレベル、と思えないだろうか。

もちろん、実はこれは麻雀の点数の導出方法の根幹を知っていればそれでも全然構わない。が、いざこれを実戦の場でやろうとすると場ゾロの2翻を忘れたりだとか、不要なことに頭を回さなければいけないケースが増えてしまうのだ。

その点、10符1翻が320点というスタートラインにしておけば、実際問題考えるのは、「70符だったら7を掛ける、110符だったら11を掛ける」というシンプルな掛け算と、「1翻だったらそのまま、2翻だったら2を掛ける」という二択しかない分岐、そして子ならそのまま、親だったら1.5倍という3点だけに思考するポイントを集約出来る。

もし今VPLに向けた勉強をしていて、「加符は計算出来るようになったけど肝心の点数表を暗記するのが大変!」というVtuberの方一人にでもこの情報が届いたら、個人的にはうれしい限りである。受験者全員の健闘を祈りたい。

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