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EDの原因とは??敵を倒すにはまずは知ることです。

EDの原因となるものを知ることから始めましょう。
最近中折れするようになった・・・
若い頃と比べると固くならない・・・

このような悩みは、以下の原因を修正すると改善するかもしれません。もちろん治療もいい方法が色々あるので、諦める必要はないです。

以下に12のリスクファクターをご紹介いたします。
自分のEDの原因を知れば自ずと対応することができます!

この記事は2018年発行されたED診療ガイドライン第3版をまとめたものです。

加齢

多くの方がイメージできるのではないでしょうか?加齢はEDの最重要リスクファクターです。
様々な疫学調査で判明しています。日本では1998年に2000名を対象に行われた調査で、年齢とともに徐々にEDの割合は増加し、75歳以上になると中等度以上のEDは70%に達することがわかっています。

糖尿病

糖尿病患者さんの35〜90%にEDが発生することがわかっています。また、EDになるのも10〜15年早まります。

糖尿病患者さんのなかでも、血糖管理不良・加齢・糖尿病にかかっている期間が長い・末梢神経障害有り・肥満、この5項目がEDになるハイリスクです。

糖尿病になると神経障害と血管障害が起こります。どちらも勃起するためには必要なものですから、糖尿病でEDになりやすくなるのは理解できます。

その他にも、糖尿病による男性ホルモン分泌低下・亀頭包皮炎などのペニスの炎症になりやすい・高血圧や肥満など、他のEDリスクを合併しやすいことも関係します。

肥満と運動不足

肥満になるにつれて、ならなかった男性よりもEDになるリスクが高くなります。
また肥満だった方も、痩せることでEDが改善することがわかっています。

運動を続けているとEDのリスクが低下することもわかっています。
具体的には週2.5時間のランニングを継続することでEDのリスクが30%低下したというデータがあります。

ED治療薬を内服したとき、運動習慣がある方が効果が強く出ます。
勃起機能がより改善しやすいです。

心血管疾患および高血圧

高血圧はEDを合併する頻度が高く、逆にEDの患者さんが高血圧になりやすいこともわかっています。

勃起には神経機能と血管機能が関わりますが、持続する高血圧は血管にダメージを与えてしまうことが影響します。
また、高血圧の方は狭心症・心筋梗塞・腎不全などの心血管系疾患を合併していることが多く、それらが影響している可能性も考えられています。

例えば冠動脈疾患(狭心症や心筋梗塞など)があると、42〜75%の頻度でEDを合併します。
また、冠動脈疾患と診断されていないED患者さんに冠動脈疾患を調べる検査を行うと、8〜56%の方に陽性反応が出たという発表もあります。
冠動脈疾患の発生の2〜3年前にEDが自覚されることが多いこともわかっています。
ED担った場合には今後、冠動脈疾患を生じる可能性があることも考えて主治医に相談するのがよいです。

喫煙

喫煙はEDのリスクになり、また吸ってきた本数が多いほどそのリスクが高まります。
原因は血管へのダメージによる、ペニスへの血流障害です。
また、勃起に関わる海綿体という血管が線維化することを示した発表もあります。

海綿体が線維化して膨らみにくくなると、勃起しにくくなるのは想像できます。

男性ホルモン低下

男性ホルモンのテストステロンは勃起に関わる神経・血管・海綿体組織を正常に保ちます。
テストステロンの低下した男性更年期障害の方にはEDが合併しやすく、その場合にはホルモン補充することでEDは改善します。

泌尿器科医の扱う進行した前立腺癌では、癌の進行を抑えるために男性ホルモンを下げる治療を行いますが、この治療を受ている間は性欲低下やEDがおこる可能性があります。

慢性腎臓病と下部尿路症状

慢性腎臓病、進行すると人工透析になるのですが、腎機能が低下するとEDのリスクが高くなります。
透析患者さんでは30代で36.4%、60歳代では93.1%と通常の年齢よりも早くEDとなります。

原因としては血流障害・神経障害・男性ホルモンの低下・腎性貧血等が関わっています。

下部尿路症状とは排尿のトラブルと考えてください。若い頃とくらべてトイレが近い・勢いが弱い・夜何度も起きる・我慢できず漏れてしまう等です。

尿のトラブルで交感神経が興奮しすぎたり、ペニス周囲の虚血や血管拡張物質が少なくなることが原因です。

神経疾患

多発性硬化症・脳卒中・てんかん・パーキンソン病など、中枢神経や末梢神経にダメージのある疾患ではEDのリスクが高くなります。

また、その治療に使用されるてんかん薬や抗うつ薬などの薬がEDの原因になることがあります。

外傷および手術

脊髄損傷となるような外傷を受けると神経のダメージによるEDとなります。

泌尿器科の前立腺や膀胱癌の手術や、外科の直腸手術などの骨盤深部を操作する手術では勃起に関わる神経がダメージを受けてEDになることがあります。近年ではロボットによる支援手術が一般的になり、神経温存が行いやすくなってきました。

それでも十分機能を保護できるとは限りません。手術を受ける場合は、ほかの治療法やその治療成績はもちろん、ご自身の性生活の頻度なども考えて主治医と治療法を相談しながら選択する必要があります。

心理的および精神疾患的要素

情緒的な問題やストレスでEDのリスクは高まります。

うつ病もEDになりやすく、逆にEDがあるとうつ病のリスクが通常よりも高くなることがわかっています。

薬剤

様々な薬剤がEDとの関わりを指摘されています。また、降圧薬・抗うつ薬など、上述のEDの原因となる疾患の治療薬にEDのリスクがあるものがあるのが厄介と言えます。

ただしまずは疾患の治療が優先です。
降圧薬・抗うつ薬・前立腺肥大症薬・一部の鎮痛薬では薬剤性EDの可能性がありますが、治療薬の中にはEDのリスクが少ないものがあります。
EDになったときには、主治医にそれを伝えて、他の薬剤へ変更可能かどうかを相談しましょう。

睡眠時無呼吸症候群

眠っているときに舌根が落ち込んで気道をふさぎ、呼吸が断続的に止まってしまう症候群です。CPAP治療という治療を行うと、EDも改善することがわかっています。

睡眠の質が低下することで夜間勃起を紹介し、海綿体の酸素化が低下する可能性や、テストステロン低下などが原因として考えられています。

結語

様々な要素がEDに関連していることがわかります。高血圧や運動不足・排尿困難など、一見EDと関わりのないものが原因になりうるのは驚きです。

禁煙やダイエットで改善できるもの、糖尿病の血糖コントロールや運動習慣など、ご自身でED改善に取り組めるものも多いですし、担当医と相談しながら改善できるものもありそうです。

治療が進歩していますが、まずはこの12種類の因子を見直してみるのもいいと思います。

また心血管疾患の初発症状の可能性としてのEDなど、生命の危機を未然に防ぎ得る可能性も示唆されます。EDになったときに、セックスはしないから放っておくのではなく、これらの疾患の可能性を含めてかかりつけ医に相談するのもとても有意義だと思います。

EDについては今後治療などもご紹介していきます。
よろしくお願いいたします。



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