そのうち毎日が月命日になる不安

 母がお団子を買ってきた。祖父が好きだったお店のみたらし団子。祖父の月命日だからと写真の前に置いて手を合わせている。来週は叔母の月命日だと言う。その次の週は祖母ともう1人の叔母、2回あるらしい。
 
 離れて暮らしているからわからなかった。月命日をこんなに大事にしているとは。母には、叔父、叔母が何人もいる。だから従兄弟も多い。この数年で、従姉妹、友だちも旅立ち始めた。そんな年齢。

 月命日は毎月あって、旅立つ人は増える一方。そのうち毎日が誰かの月命日になるかもしれない。母は毎日誰かを偲んで生きていくんだろうか。
 キリがないから、月命日はやめて命日だけにしたら、と言いかけてやめた。
 私は年に一度の祖母の命日を忘れて「なんて薄情なの」と怒られたばかり。

午後3時。「お団子、美味しいうちに食べよ」母がお茶を淹れ始める。
「あったかいお茶、久しぶりだね」父も席につく。
そういうことなんだ、、となんかホッとした。

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