デイヴィッド・ホックニー展

 終わってしまうな。デイヴィッド・ホックニー展。
 数年前、携帯の画面で見た黄色い小さい花が心に入ってきた。「春が来ることを忘れないで」というメッセージと共に。会いたいと思っていたその花に会えてよかった。あなたでしたか。どうもありがとう。

 絵は誰にでも描ける。上手に描ける人もたくさんいる。
 でも、“なにか”をくれる絵はそこらへんにはない。その“なにか”は、なにがどうやって、こっちに届くのかわからない。わからないけど、安らいだり、悲しくなったり、ざわざわしたりする。だから画家ってすごいと思うし、“なにか”を受け取りたくて、私は美術館に行く。

 名残惜しくて、今度また会えますか?と思った作品はドローイング。
 欲しいのに私はもっていない、その作品の中にある時間。
 脳内に残ってしまって、ふとした時に、私を寂しくさせる。
 だからアートって危険だ。

「Be Yourself」は、ホックニーが、今回、日本のファンに残した言葉。
日本にきた作品みんなが全力でそう語っていた気がする。
                          東京都現代美術館


 

 

 

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