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「物価と名目賃金の循環構造」no.21

 金融政策が名目利子率を誘導し、その結果、市場名目利子率も政策の影響を受けて決定されるとするのが、テイラー・ルールである。需要決定マクロ・モデルで、LM曲線の代わりに、このテイラー・ルールを接合して、構成するという考え方が存在する。もちろん、テイラー・ルールが決定する利子率と市場利子率は本来異なるが、このルールで金融政策を運営する場合、究極的には、テイラー・ルールが決定する名目利子率に市場名目利子率が一致するとすれば、この新しく構成されたモデルで、加速的インフレ経済の安定性がどのように変わるかを議論することは意義のあるこである。このモデルでも、一般的には定常均衡は安定とはならない。一般的には不安定である。今回はこの論点検討する。


 

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