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「陋巷に立つ」歌集no.4

  筆者は陋巷と殷賑が混ざり合った街が好きだ。今回もそれにまつわる短歌八首を、その歌づくりのエピソードを交えて紹介することにする。考えひねくり回した歌は佳編とはなりえない。一気にリズミカルに出た歌が秀逸である。それは、J-Popと同じである。日本人には、どうも、五七五七七の31文字の韻律が深く刻み込まれているみたいだ。思いを率直に流れ出るような歌が良い。
 分かりやすい歌だねと、ある知り合いの俳人から、馬鹿にしたような感想も聴いたことがあるが、それでもなおだ。難解な歌であるから優れていると思わない。詩がない作詞は作詞とは言えないのと同じだ。

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