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「金融財政政策雑感」no.29

 名目利子率の決定のためのテイラー・ルールを単純なマクロ経済モデルに接合し、金融政策と財政政策の有効性について比較検討する。接合するためのインターフェースは何か。それは、テイラー・ルールによつて決定される名目利子率を実現するための内生的実質貨幣供給である。財政政策については、名目財政支出の増加率を政策変数とする。この名目伸び率を政策変数とするという仮定にはリアリティが存在すると考える。財政当局はインフレの進行とともに貨幣錯覚に陥る。これまでの伝統的モデルで政策変数であった、実質政府支出は内生変数となり、この変数が定常値に収束する状態を長期均衡とする。金融政策は目標インフレ率を設定し、テイラー・ルールを適用して市場利子率を誘導し実現する。政府が、財政政策増加率を目標インフレ率に制約されることなく一定値に固定するマクロ経済モデルを構成し、財政政策の有効性を検討する。このモデルでの金融政策の役割は財政政策を支えるということである。

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