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僕じゃなくても誰でもよかったのです

前回より

要約すればこんな感じです。
社長はK氏に会社を辞めてもらい公私共に完全に離れたかった。
故に、その代わりとなる会社の業務全般の管理ができる人間が急ぎ必要だった。

友人はそんな裏事情を知らず僕を女社長に紹介し、そして僕は女社長のお眼鏡にかなった。
別に僕の能力が見込まれたとかそういった理由があったわけではなく、偶々の流れに僕がハマっただっただけのです(苦笑)

でも。
お金の力は思ったよりも強く、給料100万円年収1200万超に実際魅了されていた僕は理由がなんであれこの話から身を引く事はできなかったのです。
それに今更、LRを毎日走らせる妻に "実は、、、”  
そんな話は到底出来なかったのです。

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TVドラマか?


今こうして当時の記憶を巡らせていますが、信じられないほどの奇妙キテレツだった社内事情、まるで伏魔殿。
ドロドロの人間関係はまさにTVドラマにもありそうな程でした。

一方で会社の業績は順調でした。

毎日数百万円もの商品が問屋向けに出荷され、電話通販のお客様への商品発送も繁く頻繁に、、、そして新たな在庫も入荷する。
まさに好循環で業績だけは順調に伸びていたのです

ですから本来なら営業に出ているはずの若い男性社員は倉庫に張り付きで出入荷の作業に追われていたのです。
販売店回りやその店舗スタッフとのコミュニケーションや何かしらのフォローなど、一番大事な各店舗在庫の把握をする事も出来ず、本来の営業業務とは程遠いところにいたわけです、、、仕方なかったのです。
そうこう時を過ごしているうち、僕も"儲かるならこのままでいいのか”
そんな風な気持ちになっていたのだと思います。

化けの皮が、まず一枚剥がれた!

実はやり手の女社長は存在していなかったのです。

社長の日常といえば、パートさんと毎日お喋りを楽しみ、時たま何処かにふらっといなくなり、仕事といえば手形決済の手続きで銀行に行くくらいでした。
そんな仕事は本来経理の仕事です。

では経理に精通しているのか?といえば全くもって無知でした。
そういえば、金庫から出金する時の出金伝票だけはマメにつけていたのを憶えていますが、これは会計士から厳しく指導されたからであって伝票をつける本来の意味についてはほぼ理解していなかったと思います。
つまりそれまでは小口現金を自分の財布がわりに使っていた疑いがあったのです。

あれもこれもそれもこれも、あちらもそちらも、、、
つまり実務の全ては元の夫、元の社長K氏自らが執り仕切っていたわけです。

今の社長はK氏の小間使い。
当初のイメージだったやり手の女社長は実はどこにもいなかったのです。

。。。。。。。。。。。。。。

誘い文句は "会社を大きくするための新たな商品企画開発と販路開拓”
確かに社長の本音としてあったわけですが、しかし実際はそれらに関しての話題すら出てこない状況で、僕の仕事といえば外注先への挨拶回りや帳票や在庫表のチェックなど、全くもってやり甲斐のない暇つぶしのような”仕事”でした。

唯一何が大変だったかといえば、一億円近い退職金を持って退社したはずのK氏への対応でした。
それはまるで社長業務を続けているようで、強い指示命令で業務への関与口出しが頻繁に続いていたからです。

再び、驚くべき事実、隠し事が判明する


日に何度も、それも長電話による業務への口出し。
あれはどうなってる、あっちはどうなっている、伝票見せろ、、、
そんな内容の電話がK氏から毎日のように続いていたのです。
流石に僕に対してではなく社長やパートさんに対してでしたが、ほとほと見かねていました。
暫くやり過ごしていたのですが、やっぱりこれは変だと思い僕は今の社長と会計士とのミーティングの席を設けたのです。
そしてその席でとんでもない隠し事が判明したのです。
(この後も続々と、そして混沌とした会社の内情が明らかになるのですが、、、)

3%のロイヤルティー契約!

"実は今月からK氏に対し3%のロイヤリティーが発生する”

伝票出荷ベースの売上換算の3%。
業績によりロイヤリティーUP。
毎月銀行振込。
名目はコンサルフィー。
期限なし。
紛争は東京地裁。
etc

実に抜け目のない正真正銘の契約書でした。
僕はその時の会計士の苦笑いを憶えています。
(バカじゃねえかこの女、、、そんな含みの苦笑いです)

なるほど、K氏の目に余る業務への関わりの謎が解けたのでした。

仮に1000万円の出荷で30万円のロイヤリティーをK氏に支払う、、、。

1億近い退職金だけでは飽き足らず、会社が続く限り永遠に金をむしり取ろうとする、、、金に執着心には呆れるばかりでした。

当然、僕と会計士は目の前の社長に契約破棄を迫りましたが "それは出来ない” と
社長は言いました。

"あなた達はあの人(K氏)の怖さを知らないのよ、、、”

社長がこう言ったのをハッキリ憶えています。

会計士もK氏の傍若無人、逸脱した曲者である事を重々承知しているようで、まあ後はそちらで対処してください、、、と早々にお帰りになったわけです。

でも僕はこの理不尽さにどうしても納得いきませんでしたので、社長に対しK氏との契約解除もしくは見直しをするように強く説得を続けました。
そうしてまた一つ、、、
まさかな事実を知ることになり、更に厄介な人間関係が発覚したのです。

そこには今もドロドロの人間関係が潜んでいた。




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