個人主義と集団主義

バカと無知-橘玲を読んだ。
その中で自尊心と個人主義、集団主義について述べている箇所がある。(Kindle版だと45%あたり)実験によると、自尊心が傷つけられたとき、自尊心の高い学生は自身の能力向上に興味を持つという個人主義的傾向があるそうだ。一方、自尊心の低い学生は同様の状況で対人スキル向上に興味を持つという集団主義的傾向があるそうだ。また、実験後に被験者のディスカッションを行うと、自尊心の低い学生は他者からの印象がよく、自尊心の高い学生は印象が悪かったそうだ。これは自尊心の低い学生が意図的に協調的に振る舞うという反応に由来すると考えられるそうだ。

自分は自尊心が高いので、この指摘には納得してしまった。自分も同様の状況だと個人主義的傾向をとると容易に想像できたからだ。しかし、ディスカッションの実験結果についてはもう少し考える必要がありそうだ。

個人主義の人間は協調的な態度をとるべきなのかーーー私はそのような人間であっても協調的であるべきだと考える。そもそも、実験結果によると能力向上と協調性はトレードオフにあるように思われるが、私はそのようなことはないと考えている。自身のコミュニケーションを鑑みれば、協調的な態度をとることは低コストなことがすぐにわかるはずだ。私は危機的状況において短絡的思考に陥り、個人主義に走り低コストである協調的努力を怠るのは愚の骨頂だと考える。なぜなら人間の営みは全て人間関係に依存しており、何を行うにしても人間関係の悪化は自身にとってマイナスに働くからだ。利己的ならむしろ協調的に振る舞うべきである。

話をまとめると、自己肯定感の高い人間は危機的状況において、能力を重視して協調性を蔑ろにしてしまう。自己利益の最大化のためには短絡的に行動せず、能力向上に勤しみながら常に協調的であるべきだ。


以上、銀島でした。最後まで読んで頂きありがとうございました。次回もよろしくお願いします。失礼します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?