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“本気で熱狂“する覚悟

みなさん、MoGって知っていますか?

知らなかったら今日覚えてください。Mission on the Groundという、very50のグローバルリーダー育成プログラムです。

私は、今年の8月に、高校生向けMoGの社会人フェローとして参加してきました。本記事は、その時の感動をシェアするために書いたものです。


自分が何をしたいかわからない社会人

まず、私の自己紹介から。私は普段、メーカーで研究開発員として働いています。東京理科大学を卒業し、東京工業大学大学院を修了(工学修士)しました。
働き始めて3年半、市場に出回る製品の品質保証を担当してきました。お客様に自社製品を安心して使っていただくために、私の部署があります。
目の前の仕事をこなしながら、ずっと疑問に思っていたことがあります。
それは、「受動的に」配属された部署で、「与えられた仕事」をやっている。生きている、でなく、生かされていると感じたことです。

「私は、何を目指していたんだっけ」
「どんな人を、どう幸せにしたかったのだろうか」

これまで順調にいっていた人生で、立ち止まってしまいました。
ありふれた情報。拡がる多様性。正解がない世の中に変わりつつある中で、自分の存在意義について考えることになります。
プログラミングを学んだ方がいい、貯金はせずに自己投資すべきだ。周りに流されながら、何者かになろうと必死になっては、こうではないと思う日々。今までは順調にいっていたというより、何も考えてこなかったんだと思います。

そんなモヤモヤしていた時に、MoGに出会いました(出会った自分の、運と縁に感謝したいです)。MoGには様々なプログラムがありますが、今回私が参加したのは、参加者としてでなく、高校生MoGの「社会人フェロー」として生徒を引率することでした。え、高校生の引率???自分にできるだろうか。英語にも自信がない。会社でもリーダーとしてプロジェクトを率いた経験もない。教育ビジネスに関わっているわけでもない。不安で仕方なかったですが、本気でチャレンジしてみたいという自分の意思を信じ、応募することにしました。


MoG当日まで

高校生が自分の夏休みを使って、10日間のカンボジアへの派遣プログラムに参加し、現地の社会人起業家のビジネスに貢献する。私が高校生のときに考えもしなかったことに挑戦する高校生たちと過ごす時間は、私にとってかけがえのない時間になりました。私も、自分の夏休み(有給休暇)を使って、参加しています。

私が関わったプログラムは、アンコールワット近くのシェムリアップという地域で、観光客にアクセサリーを販売するRaindropという会社のサポートでした。貧しい地域で暮らし、小さい頃から身体の障害でいじめを受けながらも、努力を重ね起業した、一人の女性が経営する会社です。

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高校生は、出発前までに、現地、起業家、競合などの情報をリサーチし、目標設定をします。起業家ともオンライン会議を重ね、どのような会社を目指しているのか、今抱えている問題は何かを洗い出していきます。もちろん、すべて英語です。
一方で、日本にて、「どのようなアクセサリーを身に付けたいか」、街頭調査も実施しました。自分でアクセサリーを身に付けない男子学生は、相当難しかったと思います。
自分たちで「ターゲットを想定し」、「目標の売上を設定する」。抱えている問題点を「洗い出し」それを「解決するための改善策」を日本で準備しました。私の役割としては、PDCAサイクル、4C分析などの会社に入ったら1年目で勉強するようなことなどの実践のお手伝い。あくまで彼らが自主的に考えていけるようにツールを提供したり、論理の飛躍に気づいてあげること。「わかんない!」と逃げ出したくなるときに、心の炎にそっと燃料を注ぐこと。普段使わない頭を使う時間は、きつくもあり、楽しくもありました。

人生の変わる10日間

現地での10日間は、高校生にとって素晴らしい経験になったと思いますが、それ以上に私の人生に新しい価値観を吹き込む経験になりました。
高校生の中には、「初めての海外」だった子も多くいました。そんな子達が、ほぼ観光することもなく、カンボジアでビジネスと向き合います。自分の10年前を振り返って比較すると、感動を超えて尊敬の域に値します。
彼らが出発前にインターネットで調べてまとめてきたことは、ほぼすべて調べ直しになったといっても良いでしょう。現地の空気から新たに発見することが多くありました。社会人で学ぶ「問題は現場で起きているんだ!」に気づく瞬間です。

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ここはどんなマーケットで、競合他社はどこで、自分たちに足りないものが何かに向き合います。考えると立ち止まってしまう子達に、動いてみないと分からないよ!とDoの重要性を伝えたり、食事中もビジネスと向き合いすぎて笑顔が消えてしまう子達にはON―OFFのスイッチを伝えたり、アイデア発散型の子には、当初の目標に戻ってくる機会を提供したり。新しい環境で高校生に大きな負荷がかかるので、体調管理のケアまで。一人一人の特性は異なるので、その子が自分の能力を発揮できるよう、個性を見極めながら、伝えるべきことを伝えていく。この経験は会社では味わうことができません。出発前は、「自分に務まるだろうか、大丈夫か」と不安でしたが、まずは役に立つために自分から動く。当たり前ですが、「私にできない」でなく、「私に何ができるだろう」と考え続ける大切さに気づきました。

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彼らは私の想像を大きく上回る成果を出します。
Raindropは、通常月の売り上げが40ドル。彼らの売上は1日で180ドル。ここでお伝えしたかったのは、数値目標を達成したことではありません。自分たちで課題を設定し、PDCAを回して螺旋階段を登っていくことで得られた成功体験。なんと彼らは「会社のビジョンが適切じゃないと思う」という本質に、チャレンジングに向き合いました。一人ではできなかったことでも、チームで個々が自分の能力を発揮することで、確かに達成に近づける。この感動を、実感を得た高校生たちが、最終日に現地の起業家に活動を報告し改善提案をする光景はあまりに美しくて、誇らしくて、涙腺の弱い私はずっと泣いていました。笑

また、MoGでは「振り返ることの重要性」も学びます。
毎日の活動後、夜に「今日できたこと」「できなかったこと」「明日はどう過ごすか」を振り返りました。驚くべきは、高校生の成長スピード。次の日に別の人間になったかのような成長スピードを見せてくれる子もいます。アドバイスを素直に受け入れる子に、大切なことを教えてもらいました。
社会人で日々の振り返りを濃密にできている人が、どれだけいるでしょうか。MoGは私にありたい姿を教えてくれた気がします。



2020年3月、社会人フェローの募集あります!!!

私に大きな財産をくれたMoGの社会人フェロー枠ですが、今年の3月のプログラムで募集があります!!!
開発が進むアジア新興国に興味がある、高校生の教育に興味がある、とにかく自分をアップデートしたい、視野を広げたい、新しいことを始めたい!、どれかにピンときた方は、ぜひ応募してみてください。人生が変わる経験であることを、私が保証します。本気の高校生と、出会ってみませんか?本気になってみませんか?
もし、あなたが応募しなかったらまた私が行っちゃいますよ!本当にいいんですか?!いいんですね?!本当に行きますよ!
思い出しただけで涙の出る感動を、ぜひ読んでくださったあなたに共有したいです。最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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MoGで関わってくださった、菅谷さん、谷弘さん、中山さん、杉谷さん、あっこさん、しょうこさん、まさたかくん、りょうまくん、まあさちゃん、さあやちゃん、きいちくん、ちょう先生、はたやま先生、ありがとうございました。ファミリーと言ってくれた暖かいvery50に感謝を込めて。好きです。



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(そういえば、高校生にSNOWも教えてもらいました!笑)


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