多血症をみた 20230929

【真性多血症(PV)】引用: pocket medicine
赤血球増多の鑑別
・相対的赤血球増多: 脱水, "ストレス" (Gaisbock's syndrome, たばこなど原因)
・絶対的赤血球増加: 一次性 (真性多血症, 他の骨髄増殖性疾患), 二次性 (低酸素, COHb血症, 不適切なEPO産生[腎, 肝, 小脳腫瘍], Cushing症候群)
臨床所見
 症状: 血管運動神経症状(vasomotor symptoms)
過粘調: 頭痛, めまい, 耳鳴り, 霧視
  血栓: 一過性の視力障害, Budd-Chiari症候群, 肢端紅痛症, DVT/ACS/Strokeのリスク↑
出血: 血小板機能異常による. 易出血性, 消化管出血, 皮下出血
    好塩基球からのヒスタミン放出→掻痒, 尿酸値上昇 (細胞のターンオーバーが上昇)→痛風, 潰瘍
 徴候: 多血, 脾腫, 高血圧, 網膜静脈のうっ血
診断
 男性: Hb>16.5 g/dL, Hct>49% 女性: Hb>16 g/dL, Ht 48% red cell mass↑
 骨髄穿刺: 年齢に比較して過形成
 JAK2 V617F変異 (PVの~95%), 他 JAK exon 12変異
 二次性の赤血球増多を除外するためEPOを測定 EPO低値→PVを示唆する. EPO高値→SaO2\PaO2/COHbチェック, 骨髄検査
 ±↑WBC, 血小板, 好塩基球; ↑尿酸, leukocyte alkaline phosphatase, Vitamin B12
末梢血スメア: 形態異常なし
治療
 瀉血 (目標 Ht <45%), 女性では Ht <42%を考慮
 PVなら全例 低用量アスピリン
 高リスク (60歳以上, 血栓症の既往), 症候性, 血小板増多 (1.5×10^6/μL以上), 瀉血だけでHt目標達成できない, ならヒドロキシウレア
 ルキソリチニブ[JAK1/2 inhibitor, 商品名 ジャカビ]: 治療反応不良でヒドロキシウレアに不耐のとき
 PEG IFNα-2aは治療反応良好
 支持的: アロプリノール(痛風), H2blocker/抗ヒスタミン薬 (掻痒)

Background knowledgeが乏しかったのでpocket medicineを引用して勉強しました。そういえば尿酸値が高かったなと思いました。
また、ぷつぷつと散在性の皮疹があり, 掻痒を認めており, 患者さんの希望で抗ヒスタミン薬を出しました。
PVの支持療法としても記載されていたので, あながち間違ってはいなかったのかなと思いました。

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