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推理ノベル「勇気の推理~美味しい海苔の食べ方~」レビュー

こんにちは、夜枕ギリーです。

昨日「勇気の推理~美味しい海苔の食べ方~」というゲーム実況をメン限で配信したんですが、まあすごかった。
配信の様子(メンバー限定)→ https://youtu.be/TBnt3lDCIGw

どうすごいかを知りたい方に向けて今から簡単にレビューしますが、できれば全体公開されてる他の方の実況をご覧になるか、150円で買えるので実際にプレイしてみることをおすすめします。私はオモコロの加藤さんの実況を第1章まで見て「これは自分でやろう」と途中で視聴を止めた感じです。

まずNintendoの審査に通っているのがすごい。いや、その辺の厳しさは知らないんですけど、このタイトルと商品サムネイルがSwitchの公式ストアで買えて、ホーム画面に並ぶ違和感がエグい。

それだけなら「かましてる」可能性もあったんですが、内容も等しく狂っていました。公式説明では推理(要審議)ノベル(要審議)ではあるのですが、システムからしてヤバい。

操作が文字送りしかないというあまりにも漢気が過ぎる仕様。すべてのボタンやスティックが文字送りに対応しています。つまり、文字表示速度などのオプションがないのは当然、バックログの確認や、セーブ/ロードといった軟弱なユーザビリティは存在しません。

指が少しでもスティックに触れれば画面が進行し(しかも瞬間表示)、テキストを見落としてしまいます。確認するためにはゲームを終了し、最初からゲームを始める以外に方法はありません。

しかし安心してください。テキストを見落としたところで困ることはありません。いや、テキストを見落とさずにしっかり読み込んでも、ずっと困りっぱなしといった方が正しいかもしれません。

ゲームシステムの豪胆さはこのゲームの狂いの一端であり、本質はシナリオの不可解さと、それを表現する文章の突飛さ、脈絡のなさにあります。こればかりは実際にゲームのテキストを読んで貰うしかないのですが、例えばテンポよく読めば5分で終わるであろう第1章だけでも

・海苔が主人公の好物というだけでシナリオに関係ない
・時おり現代では怒られそうなジェンダー観を見せる主人公
・授業を終える→帰宅中の通学路で女刑事に助けを求められる→事件現場に同行するとさっきまで同じ教室にいたクラスメイトの女生徒が死んでいる→この時系列のおかしさはトリックでもなんでもなく、説明もない
・死因はゴーラ(説明なし)の飲みすぎ
・事件性があると判断した主人公は特に理由もなく一回家に帰る
・刑事に連れ戻される
・刑事が「容疑者は家族ではない」と断言するが最後まで理由は教えてくれないし、その前提条件で推理を始める
・教室で手が震えていたというだけの理由で、別の女生徒を容疑者として連行してくる
・ゴーラを飲みたくなるタイミングを問われ「暑くて喉が渇いたとき」と答えた女生徒を、ほぼ犯人と断定する
・そのときの主人公の言い回し「これは、やっているな。」
・分の悪くなった(?)女生徒に対し「ギロチンの順番を待っている罪人のよう」という独特な表現
・続けて「ギロチンという名の手錠を目の前にした罪人は震え上がる」という表現
・ギロチンという名の手錠?????
・ゴーラを飲み過ぎた理由(トリック)は、犯人がノーマルのゴーラに混入したダイエットゴーラ(説明なし)を飲んでしまったため
・ゴーラを船旅で遭難したときにおける真水、ダイエットゴーラを海水に例える
・?????
・この推理に対して周りの警察官は立ち上がり拍手喝采を浴びせる

といった感じです。少しでも私が感じた気持ちが伝わると嬉しい。

特筆するべきことをもうひとつ、いや、2つ挙げます。
まず背景が変わらないこと。

例えばこの集合住宅の屋上あたりに見える画像は、電車の中であり、新幹線の中であり、駅のホームであり、駅前であり、パトカーの中であり、港であり、潮干狩りができる砂浜であり、空港であり、飛行機の中です。

もうひとつはこちらの画像。

これが被害者の部屋であり、主人公の部屋であり、通学路であり自宅の玄関であるのは置いといて、推理ノベルゲームらしい選択肢に見えますよね。私も最初はてっきり選択肢だと思いました。

でも思い出して下さい。このゲームには「文字送り」という機能しかありません。カーソル移動や、A/Bを選択するといった機能はないのです。

つまりこの表示されている選択肢風のものは選択肢ではなく、ただのテキストです。どちらかを選ぼうとして十字キーなどを押しても次のテキストに移行するだけです。これは主人公の頭の中に浮かんだ「AとBという可能性があるな」という推理をテキストで表現しただけのものです。

斬新が過ぎる。


というわけで「勇気の推理~海苔の美味しい食べ方~」レビュー記事でした。めちゃくちゃ弄ってますけど、めちゃくちゃ面白いです。150円でこんなに笑えるなんてお得が過ぎる。

雰囲気としては、オモコロのAI台本シリーズの面白さに通じるものがあります。日本語ではあるんだけど、文脈がめちゃくちゃであることによる笑い。天然なのか狙ってやってるのか分からないんですけど、ハマるひとは最高にハマると思います。

さっき紹介したのが1章で(ゲーム内で特に1章などといった分かりやすいカットインも無いですが)、1時間の実況で4章までプレイしました。そしてどうやらまだ折り返したあたりのようです。

続きが楽しみですね。
みなさんもぜひ遊んでみて下さい。

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