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好意的な評価まで削除される理由

巷で噂される「YouTubeの低評価は滞在時間が短いと削除される」という仕様について、その基準が厳しくなったのでは?高評価もその対象なのでは?という話を聞いたことはあるでしょうか。

注意したい点として、公式からのアナウンスがあったわけでは無く、あくまで複数の報告からそう推測されるという感じです。(なお悪意ある攻撃的な低評価が削除される理由は以前にも触れたので今回は割愛します)

その報告元の一人であるVTuber氏のツイートを見ると、「全部は見れないけどとりあえず配信を開いて高評価」という「推し活文化」「根付いていた」とのこと。VTuber界隈だけが原因だとは流石に思いませんが、実際にそういう行為が一部で蔓延しているのであれば、YouTubeが対策するのも已む無しかなぁと思いました。

YouTubeの使命は利用者をなるべく長い時間YouTubeに滞在させて、たくさんの広告を見てもらうことです。そのためにはユーザーを釘付けにするような面白い動画をお勧め表示する必要があるのですが、YouTubeには人力ではチェックできないほどの動画が投稿され続けています。

そこでアルゴリズムというAIによる自動評価システムが出てくるわけですね。そして前述の「見ないで高評価」はそれをハックする行為=評価を捻じ曲げる行為なので、YouTube的には看過できないわけです。

ハックにより評価が歪められる→お勧めの信頼が下がる→滞在時間や再訪機会が下がる→広告表示回数が減る→広告収入が減る、という具合です(実際にはもっと複雑だと思われます)。

個人的にも「そこまで大げさな話?」とは思いたいんですけど、規模に関わらず穴は塞がれる運命にあるものだと思います。小規模個人へのちょっとした応援の気持ちでも、規模をめちゃくちゃ大きくすればbotの高評価爆撃とやってることは変わりませんから、その判定ラインを個別に変えてしまうわけにはいかない。

家電でも買おうかなと検索で調べたときに、使ってもいない人による「おすすめの○○10選!」みたいな公式スペックを集めただけの記事ばかりヒットすることがあります。あれも検索エンジンの評価システムを利用したいわゆるSEOを悪用(あえて言い切る)した結果です。ああやって個人大手に関係なく、誰かが得をしようと悪知恵を働かせてシステムをハックすると、皆が少しずつ不幸になるわけです。

「じゃあギリちゃんは応援の評価はいらんのけ!」と聞かれたら、全体の評価システムが歪められるくらいなら見ずの高評価はいらないかなぁと思います(見て面白かったら評価してね)。

逆に言えば自分が面白いものが作れたぞ!というときに、評価システムのハックが横行していて、正当な評価システムが働かずに埋もれてしまう……というのは悲しいです。

もちろんYouTubeの評価システムが正しくて公平かと言われたら恐らくそうではなく、色々と問題を抱えているとは思います。それでも悪意やユーザーいじめでやってるわけではないはずなので、評価を消されて「被害」と感じた人もなぜルールが存在しているのか、そして厳しくなったのかを、考えてみる機会になれば良いかなと思います。

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