わからないこと

そんな人に現実世界で会ったことがないな、ということが世の中にはある。現実世界で出会ったことはないのだが、エスエヌエスという世界ではそこそこの頻度で、わたしの理解できない経歴を持つ人が現れる。なぜだかわからないのだが、複数の人たちが同じような人生履歴を辿っているようで、なにかその人たちは運命のようなものに導かれているのかもしれぬ。

そういうものをエスエヌエスで見る頻度とは違って、現実世界でそのような経歴の人と会ったことが無いというのはつまり、エスエヌエスで書かれていることは、ハッタリではないのか、と思うのである。

たとえばこういうテンプレート染みたものをちょくちょく目にする。

経歴
バカ田大学卒(高卒でも中卒でも良い)→大手奇ッ怪メーカー就職(零細企業でも自営業でも事務職でも営業職でも何でも良い)→勤務中に酒と女とギャンブルで失敗し、借金を作り退職(これもリテラシーのない失敗なら何でも良い)→どん底を味わう(人にわざわざ言うことかな、と思うけれどもそこは自由だ)→奇蹟の成功の法則に偶然出会う(個人の感想なので本当なのかもしれない)→人生が好転! 年収が数十倍に(好転したのはいいが、急に年収の話になるのはどうしたことか。金が物事を見る基準らしいことはわかった。年収計算は何を元にしているのか不明だが、計算できるらしいことはわかった)→現在人生トンデモ相談、各種コンサルティングにより各方面で活躍中(他人事ではあるが、幸せならよかったな、と思うしかない)

成功の法則!とかいうものがあれば、知りたい気持ちはわたしにもある。でも、コンテンツという名の嘘を販売されるのはお断りだ。そんなん成り立つこと自体がすごいな。なんだかんだでみんな金余ってるんやな。

こういうのは「法則」のわりに、特殊な成功事例を引いてきて「だからこうなんだ」という我田引水(というより羊頭狗肉)の傾向があるのは、出版社が何年もの間、無理やりな「成功法則」の本や記事を濫発したからじゃないのかな、と思う。その結果、今の日本ってこんな感じなのでは、と思うところもある。エグゼクティブとか富裕層とか、それ誰?と思う。

上岡龍太郎がもう随分と前に「最近の笑いには教養がない」というような発言をしていたけれど、それに通じるような気がする。となると、教養がないから、目の前のよくわからないお金のようなものにふらふらするのだろうか。


というのはどうでもええのだが、あんな経歴持ってる人、そんなにたくさんいるの?