あなたの夢はなんですか

小中学生にきくとどんな答えが返ってくるか。その返答をきいたオトナが「それは、変ですねぇ」ということがある、例えばのはなしだけど。

この場合、無意識に共有されている社会背景に規定された価値観、それも質問者自身が理解可能な価値観に収まる回答のみが許容される。

質問された側はそれを肌で感じて、差し障りのない言葉を返すのかもしれないが、その言葉で(意識するしないに関わらず)自分を縛ることもあるだろう。

こうやって「あなたの夢」は世代を通じて共有され、ある輪郭を持つ。輪郭をもった概念に、人は無意識のうちに縛られる。



譬えが適切ではないかもしれないが、一例として児童文学というあたらしい概念を捉えようとしたときにも同じ論理だてが使えるのではないかと思った。

つまり、とある界隈のオトナが初期値を設定し、周りを誘導尋問にかけて、初期値が間違いとはいえない、というある種科学的な(公平と説明し得る)意見を集めることで「統計的に正しい」カテゴリーを創出してしまう、という現象である。それは意識的になされる時もあるし、無意識のうちに(=悪意なく)なされる時もあるだろう。

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