驟雨の続いた夏過ぎて、実り豊かな秋がくる。8月の終りはその境目にあって、穏やかな秋への準備をする時間でもある。むらさめの露もまだひぬ槙の葉に、という歌はもう少し先の季節とは思うが、夏の苦労を激しい雨に流したあと音もなく立ち上がる霧に、雨を乗り切って迎える秋を実感する。