K-POPのビジネススキームについて

笠原さんのことをきっかけに改めてK-POPのビジネススキームを自分なりに見てみることにした

個人的に歌が中心で見ているので、海外の動向についてはあんまり興味を持っていなかったが、笠原さんが表に出て来たのを機に少し調べてみた

韓国国内では行われているけど、まだ日本にはそれほど浸透していないこともあるかもしれないし、興味深い記事もあったのだが、2015年前後の記事だったりで今とは少し違うことも考慮に入れつつ思ったことを書いていこうと思う

一番大きな動き

K-POPのビジネススキームとして一番大きいと感じたのは、動画再生に関する動き「スミン」だ

韓国ではTV番組でのランキングがかなりの人気のウェイトを占めるという話で、そのランキングの構成要素として、動画の再生数がかなり重要で、ファンの中で複数アカを使って再生数を多くするといったこともあるらしい

このテレビ番組と連動した形で、かつグループ発足の経緯からオーディション番組や視聴者の投票といった形でファンダムと呼ばれる強固なアーティストを支援する動きを公式・運営にかかわらず、私的に自主的に動く文化だ

このYoutube等のSNSの再生数等を重視している環境で、再生数が著しく多い状況が、実際、韓国国内のみならず海外での一つの指標になっているという点は大きそうだなと感じる

この辺りはオーディション番組で投票させてデビュー者を決めるという自分たちがそのグループの形成に大きくかかわっているというある種の錯覚をもたらしそれがネット上での動きであることが、動画再生を率先して行うという部分に奇麗につながっていて、戦略として面白いなと感じる

あと、元々世界戦略を国の方針として掲げているのも大きいのだろう

アーティストが韓国語・日本語・英語と楽曲ごとに複数の言語パターンを出しているのは、完全に世界を見据えた動きだし、特に第2世代終盤か第3世代あたりから世界のトレンドの音楽を取り入れた世界戦略は、一貫性があるし今日のK-POPブームの土台になっているのは疑いないとは思う

ただ、余計なお世話かもしれないが、少し気になるのはハングルに傾倒することで漢字文化が消えたりとか、ある種韓国で従来からあった元の文化的要素が消えるという状況があるので、パフォーマンス等においても、韓国の独自性というかアイデンティティみたいなものが失われていくような気もしている

このあたりの変化していく強さみたいなものはあるのと一方でファッション等で流行ったものをみんなで着るみたいな集団で同じ動きをするような部分もあり、日本でよく同調圧力と言われるが、実際韓国の流行りものをみんなでっていう流れはある種同じような同調圧力に近いものに感じる

その傾向がもしかしたらファンダムの活動を想像以上に大規模で時に事務所以上の宣伝効果を発揮する場面もあるんだろうと思う

余談だけど、最近、日本に在住している韓国系のYoutuberで韓国の人を日本に招いてその反応を動画にするというのを結構見ているのだけど、韓国の人が感動等を表すのに訳し方の問題なのか分からないけど、「〇(クル)っている」という表現をする若い人が結構いる感じで、反日デモやノージャパンもそうだけど、どこか熱狂しやすい国民性みたいなものがあるのだろうかと考えたりする

韓国のこういった戦略が日本に浸透するのか問題

個人的には世界を見たときに一番大きな問題は言語だと思う

正直言えば、日本語であることが魅力でもあり足枷でもある
これを英語に翻訳するような形でグローバル化を図るとして、日本語曲と同じような魅力が出るのかというのは気になるところ

日本語の表現の多様さは英語等に翻訳されるとまとまってしまう傾向にあると思っており、それが歌い手個々の魅力を画一的なものにしてしまう

また、日本の音楽が歌・歌詞に偏っており、海外ではリズム・グルーヴに偏っているという差があることが大きい
韓国もBoAとか言葉を重視してた時期もあるように見えるが、世界戦略を考える上でそこが変化していった部分があるだろう

ただ、これは賛否あると思うけど、日本では育てる文化だったり、多様性があり過ぎるせいでファンダムのような画一的な動きが取れるかというと、比較的その動きになりにくい傾向(自分が好きなものは好き他人の評価はあまり関係ないみたいな感じ)があるので、ここまで熱狂的な動きをする流れができるかという話と、視覚的なものを追求しないグループもあるし、視覚的訴求がそれほど効果的でない部分もあるかもと感じる

そういう意味では韓国では国民性と戦略がマッチしているんだろうなと感じる

日本の場合、こと文化的な要素においてここまで大きな潮流を起こせるような施策が打てるのかというのは、難しいところかな。。。
アニメやドラマ等はまだしも歌という分野においてはちょっと違う気もしている

日本人が英語により近い感覚を持つようになればまた違うのかもと思うのだけど、今は英語の歌詞を聞きながらすんなり受け入れるというレベルにないので、聞きながら変換的な部分がある程度スムーズにできるようにならないと、難しそう

ただ、だとしても単純に英訳しただけではここまで海外で爆発的な動きにならない気がしている

そういう意味で ONE OK ROCK の世界戦略とか海外で受け入れられている要素を調べてみるのも面白そうだなと感じた


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