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小説 佐戸交霊糞便魔蔵地獄図之変其三 最終回  怒涛快楽雲鼓黄禍池合戦

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口上
性癖とは恐ろしく因果なものでございます。
二十年、二むかしが過ぎ去り神様の悪戯でございましょう。
青年実業家の平吉は介護施設のパートの平さんとなり
美貌のSM女王サチエ様は半身不随の老女高田尚子となり
お互い齢を重ねて介護施設で再会したのでございます。三か月が経ちました。
初めは尚子さんがサチエ女王様に変身する事はありませんでしたが
夜勤の度に平吉が便処理でとる奴隷の態度に、尚子さんの目付きが次第に変わってきたのでございます。
女王様を思い出す事はありませんでしたが、時折おだまりと発したり、
真紅の口紅を付けたり、次第に高飛車な態度が見られる様に成ってきたのでございます。
平吉は尚子さんの便処理を進んでいたしておりました。
そんな日に事件は劇的に訪れたのでございます。
全員で昼食のカレーを食べている時でございます。美味しいものを食べる時は誰しもが無口になります。
この日もそうでした。
人殺しー、人殺しー、殺されるー。うんこ食わされるー。
突然、セイコさんが金切り声で叫び出しました。
平吉はセイコさんの元へフォローで跳んで行き
セイコさんこれは、美味しいカレーだよ、便じゃない
そこまで言って絶句し声を止め飲み込んだ。
白い皿にカレーライスがのっている、2種類のルーがのっている1つは茶褐色のカレールー、もう1つは黄色いルーの中に粒状の種が残る軟便なのだ、おまけに酸っぱい臭いも強烈だ。
これ、うんこでしょ



セイコさんがたたみ掛けて言った。
言葉に詰まった平吉は、隣に座る尚子さんを見た。
ヤバイ尚子さんの顔が精悍なサチエ女王様になっている。
おまけに尚子さんの左手半分に黄色い便が付いている。
ああああ、尚子さんの、いやサチエ女王様の仕業だ。
こんなの食えっかー
セイコさんが皿ごと投げつけた。皿は壁に当たり割れたと同時に向かい席に座る亀吉爺さんの頭ににうんこの付くカレーが直撃した。
なにすんだ、くそババー
くそ爺だ。
誰かが言った。
今言ったのは誰だー。
亀吉さんは、ズボンを下ろし、下半身を露出して、たいして大きくもない
局部を振りながら、さっきのちやちゃを入れた声の方向に小便をかけ出し、歩きながら、四方八方に小便を撒き散らした。
食堂の2つのテーブルは大混乱となった。
誰かが投げたカレーが隣のテーブルのキクさんに当たった。
キクさんは自分の穿いている紙パンツに手をつこみ、
出来立ての柔らかい便を誰彼なく投げつけた。
尚子さんも股間に手をつこみ自分のうんこを投げ出した。
便いじりの達人、ノブコさんがハンドバックから一見甘納豆風のモノを
取り出し隣のミエさんの掌にのせた。
ミエさんだめ食べないで
と平吉が叫んだが、遅かったミエさんはそれを食べすぐ、おぇーと吐き出した。吐しゃ物は向かいのタマさんに当たった。
ノブコさんが食べさせたものは、自分のうんこを丸く成型し乾燥させた
もので何故かノブコさんは自家製のうんこ納豆を大切にバツクにしまっているのです。
止めに入った平吉はノブコさんにうんこ納豆を投げつけられ。
嬉しいやら、痛いやら、もう、めちやくちゃになったのです。
便やら、カレーやら、小便やら、その場で尻を出して立ちションをするキク婆さん、尚子さんは毅然として、亀吉爺さん相手に
おだまり、このくそ爺、さあー食べなさい
と、下半身丸出しの亀吉爺さんに調教紛いの言葉をかけています。
もう参戦していない入居者はいません。
床は糞便と尿、カレーライスの海となり、お尻をついて滑って移動する人もいます。投げ合い罵り合いは続き、何故かホールにいる全員に共通の爽快感の様なものが伝わってきます。
カンカンカンカーン
ホーム長のあけみさんが、テーブルに上がりやかんを擂粉木棒で叩き
みなさーん、おわり、おわり、やめてー
と大声を出して止めに入りました。
みなさーん
と大声で呼びかけた時、あけみさんの顔に大きなうんこが命中しました。
一瞬、時が止まったように静寂が生まれましたが、
やるかー、気のすむまで、
と発して、あけみさんはテーブルの上でパンツを下ろし腰を下ろし
ぶー
と放屁して放尿を始めました。
再び乱痴気パーティーが始まりました。
何処に隠れていたのか、分かりませんが、やる方の無い怒りと言うよりも泥の様なものを、みんな必死で吐き出しているような気がしました。
そして、連帯の様なものが生まれた気がしました。
平吉はどさくさに紛れて、尚子ことサチエ女王様とのSMプレイを楽しみました。不思議な事に小一時間もすると、疲れ果てたのか一人、二人と居室に帰り始めました。先程まで、上がっていた歓声も減り、いつの間にか祭りは終わっていました。
平吉は二十年前、五反田で味わった、吐き出した後の爽快感と倦怠感を思い出していました。気づくとサチエ女王様も尚子さんに戻っていました。
平吉は疲れた尚子さんを居室に送り届け戻ると、糞尿の床に尻もちをついて、肩で息をするあけみさんが居ました。
平吉は
お疲れ様でした。
と声を掛けました。 
あけみさんは、
わたしたちは、汚物だったのね。
と応えて、ひと息ついて
よかった。
と発しました。
       おわり
                    



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