プロ修斗香川大会 闘裸男×FORCEを観に行くということ(2)

前章のような経緯で、ようやく開催が発表されたプロ修斗香川大会 闘裸男×FORCE。
チケットを発売するや否や、光速の完売。

マジでビックリしたよね…。

席数が大きく絞られているとは言え、こんなスピードで売り切れるのは予想していませんでした。香川で行われるプロ修斗の大会を待ち望む人が、少なくとも100人はいるというのは、心強い事実だと思います。

ファンが遠征に行くということ

そうは言っても、ふだん、東京や大阪などでプロ修斗の大会を見ているファンが、わんさか押し寄せる、ということでもないでしょう。やはり、東京や大阪、いわば地元以外のファンが地方大会は見に行かない、というのは大きな問題です。
長年の課題ですが、特別なリサーチしたわけでもないので、個人の経験と感想をベースに考えてみます。

大きな理由の一つは、単純にお金がかかるということ。
当然、遠い場所に行くには旅費がかかるので、総武線に乗っていつもの後楽園ホールに行くのとはちょっと違います。電車、バス、飛行機…いずれにしても移動にお金がかかってしまいます。泊まればホテル代も。

二つ目は、知らない選手が多いということ。
地方大会には、地方在住の選手の試合機会の提供という責務がありますから、東京ではまだ見たことがない選手が多いのは事実。知らない選手を見て楽しめるのかな、という不安は、わからなくもありません。

思うに、一つめの「お金がかかる」と二つめの「知らない選手がいる」というのはリンクしていて、おそらく、二つが合わさって「損をしたくない」という意識が大きく立ちはだかるのかな、と考えています。
ざっくり言ってしまえば、「お金をかけて地方大会を見に行く価値があるのだろうか」という事ですよね。

その答えは、「人それぞれ、あったりなかったりする」です。

率直に言って、特定の有名な選手を応援したい、勝ち馬に乗りたいっていうタイプの人は、たぶん、無理かなと思います。推し選手が勝つところだけを見たい、というタイプの方は、そりゃ、無理ですよね。

しかし、「旅行もしたいし格闘技を楽しみたい」という方には、おすすめしたいと思います。
お金がかかるというのは動かしがたい事実ですから、ない袖は振れませんが、視点を変えれば、これは旅行なんだから、観戦だけでなく、旅先で楽しめば良い、観戦旅行というパッケージ旅行と考えれば良いのではないか、と思っています。

また、どんな有名な選手、王者だって、デビューの時点ではほぼ知られていないのが普通。
たたまた自分が知らない選手であっても、プロ修斗の選手は、基本的にアマチュア修斗でふるいにかけられてプロ昇格してきた選手が多く、東京だろうが、地方だろうが、競技的なレベルの高さはある程度担保されていると言って良いんですよね。
だから、自分が知らない=弱い、競技レベルが低い、ということでもないし、そのまだ見ぬ裾野の広さこそが、まさに修斗の強みであり、魅力なんだと思います。

地方大会から出てきた選手が、どんどん活躍してスターダムにのし上がる姿、その歴史を見届けてみたいって思いませんか?
わざわざ、東京や大阪から足を運ぶ楽しみが(人によっては)そこにある、ってことはお伝えしたいと思います。

闘裸男×FORCEのカードが魅力的だということ

少し脱線しました。

話を戻して、今回の香川大会のチケットが即完売になったのは、開催と合わせて発表された対戦カードが良かったのも大きいと思います。
そういう意味では、二つ目の問題もクリアされていて、とても魅力的。

○バンタム級(61.2kg)5分3R
宇田 悠斗(愛媛/総合格闘技道場HOPE) VS 宮城 友一(沖縄/DROP)
○バンタム級(61.2kg)5分2R
高岡 宏気(香川/トイカツ道場香川支部) VS Lyo,o(沖縄/reversaL Gym OKINAWA CROSS×LINE)
○フライ級(56.7kg)5分2R
安芸 柊斗(徳島/MMA Zジム) VS 旭那 拳(沖縄/パラエストラ沖縄)
○ライト級(70.3kg)5分2R
CHAN-龍(徳島/MMA Zジム) VS 紀州(和歌山/ASH)
○ライト級(70.3kg)5分2R
結城 大樹(福岡/マスタージャパン福岡) VS 國頭 武(広島/総合格闘技道場BURST)

これは率直に言ってビックリしました。不遜な言い方させていただくと、「おおっ、本気だな!」って感じました。

最終的には、トライアウトを含めてあと2試合追加されるのですが、ここまでに発表されたカード、全員見たことある!っていうのは、僕も余り経験がないです。
ランカーがいて、東京での試合の経験者や地方大会にあってその実力が認められている選手も多い。しかも、宇田選手(愛媛)vs宮城選手(沖縄)、高岡選手(香川)vs Lyo,o選手(沖縄)、安芸選手(徳島)vs旭那選手(沖縄)は、四国vs沖縄の対立軸がわかりやすく、かつ、それがハードな潰し合いでもあって、これは本気度が高い!と興奮しました。
なんという俺得。

「試合のレベルの高さは担保されている」「試合そのものを楽しむくらいの気持ちで見に行けば良い」などと格好良く言ってても、やっぱり知ってる選手がカードに並んでいたら喜んでしまうチョロいGigioさんです。
とにかく、多くの人に見てもらいたい試合が並んでるぞ!って言いたかったんですよね。

もうひとつの「知らない選手がいる」問題へのアプローチ

そして、今大会の注目点は、後になってわかることなのですが、2番目の「知らない選手がいる」という問題点を別のアプローチで解決する運営とそれをサポートする皆さんの力でした。これは、本当に素晴らしかったです。

その点は、次章でお話ししたいと思います。

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