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ホテル事業会社くらべてみました~外資系編①~

違和感

こんにちは、じじぶです。週末如何お過ごしでしょうか。


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今回からは早速この画像を基に、まずは私にとっては馴染み&興味のある外資系ホテル同士で、営業利益率の違いを主眼においた比較を始めたいなと思っていたわけですが、

その前にまず私がこの表に対して感じた違和感について少し触れてみたいと思います。(特に同業の方からすれば多分常識に近いことではないかと思いますが・・・)

ちなみに今もう2020年なのに2017年の数字比較する意味・・・?とかそういうのではないです。


私が違和感を感じた部分、それは"保有ホテル数"です。


同業の方や少しホテル業界をご存知の方であれば私がなぜそこに違和感をもっているかはすぐおわかりになるのではと思うのですが、何も知らない方がこの表で"保有”という言葉を見たとき、表の上から下までどの会社も

「自分で建物建ててor買って、家具も壁紙も整えて、ほいで人雇ってホテルやってる」(今回はこれを”保有”と定義することにします)

っていう印象をもってしまう方が多いんじゃないかなと勝手に推測します。


でもそれが誤解です。


特にここの表にあるような外資系ホテル企業の場合、"保有”しているホテルって表の軒数からすればめっちゃ、めっちゃ少ないです。

じゃあなんでこの外資系ホテルたちはたくさんのホテルやれるの?ってなるのですが、これを理解するにはまずはホテルの運営形態の違いを理解する必要があると思います。

それぞれの形態の違いについて細かい説明は今回省きますが、先ほどの"保有"に該当するのは4つのうち所有直営型のみになります。

そして外資系ホテルがこれだけ沢山の軒数をやれるのは、「自分でほとんど"保有”(所有直営型の運営)はせず、リース契約orマネジメント契約orフランチャイズ契約を世界中で結びまくってるから」です。


なので私が感じた違和感の正体は

「外資系って"保有"してないのばっかなのにぜーんぶ保有に入れちゃうの・・・?」

という疑問でした。


では冒頭の表の”保有ホテル数"、じゃあどんな表現が正しいか?と言えば、

「運営形態を問わずグループとして実際に開業している軒数」

あたりじゃないかなと思います。

ただ勿論そんな長い項目名が表に書いてあっても邪魔なので、作成された方もそんなの百も承知で作られているのかもしれませんが・・・

とはいえちょっとだけ冷静になってみたら何となく感覚的にイメージ湧くと思いますが、これだけの軒数を自分で建物建てて~ってやってたらどんだけお金があっても足りないですよね。


ちなみに、先ほど少し触れた運営形態の違いについてですが、外資系ホテル企業の annual report(もしくは10-K)と呼ばれる1年間の報告書を見れば、上場しているホテル企業であればまず間違いなく運営形態の内訳が書いてあるのではと思います。

例えばヒルトンの表がわかりやすかったので引用しますと、下記のように①Owned/Leased、②Managed、③Franchised、という風に運営形態ごとに分けて軒数が客室数と共に表記されてあります。

キャプチャ

キャプチャ2

冒頭の表におけるヒルトンの軒数5,236という数字は、Hilton Grand Vacationsの軒数を除いた、全運営形態のトータルの数であることがここでわかるわけです。他の外資系ホテルの軒数も運営形態の内訳を気にせず全部ひっくるめた軒数が書いてあるのではと思いますが、個人的な感覚としてはやっぱりmanagedもfranchisedも”保有”って感覚はありえないんじゃないかなと思います。Ownedと一緒になっていることからもわかるように、Leasedならまあ・・・って感じでしょうか。直営は直営なので。

さて、比較の主目的である外資系ホテルの営業利益率の違いの数ある理由の1つとして、この各社間における運営形態の割合の違いがもしかしたらあるのでは、と思っていますが、具体的な比較についてはこれからおいおいやっていきたいと思います。

ここまで読んでくださった方、誠にありがとうございました。こうしたら読みやすくなる、ここがわかりにくい、など何かご意見やご感想などございましたら是非教えてください。また、意見交換なども大歓迎です。

引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

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