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(注:ネタバレ有り)勝手なシン・エヴァ感想 東日本大震災・第3村・スイカ畑

第3村・東日本大震災

まず、この第3村はニアサードの生き残りの人たちが集まって出来た集落なんだけど
一番初めに思ったのは仮設の家だったり、
出てくるキャラの話し方や何とか生きていこうっていう雰囲気が
ニュースで見た”東日本大震災”の後の復興中に似てるなあと思った。

(ちなみに後半らへんに第3村を津波のように青い波?エヴァ?に飲み込まれそうになっている描写もあるのでその描写はしんどい人には結構しんどいと思う。)


東日本大震災のことが頭によぎりながらこの第3村のシーンを見てると何ともいえない気持ちになる。
第3村に住んでる人はニアサードで辛い経験を体験して
トウジが言っていたみたいに「人に言えないようなこともして何とか生きてきた」って言葉の通り1日1日を何とか生きてきて、それでも誰かと生きていくっていう希望を持った人たちで集まって集落をつくり、農作業をしてとてもたくましく生きている様子描かれてる。

ケンスケやトウジや委員長など
ニアサードで大切な人を失ってそれでも生き延びた人々が集まった村
トウジと委員長はニアサードを知らない世代になるであろう子供を授かっている。
この新しい次世代に続く絆や再構築のようなものをシン・エヴァでは色々な箇所で共通して感じた。


こういった次世代につながっていくという箇所や再構築していくという部分も東日本大震災を感じる部分があった。
東日本大震災後に生まれた子供たちはあの大きな大災害を知らないかもしれないし、幼い頃すぎて覚えていないかもしれない。
それでも被災した人たちはどんな打ちひしがれた状況でも
必ず希望の芽を出し、さらに新しい命に脈々と繋げている。



今までのエヴァンゲリオンではほとんど子供やネルフ以外の世界で来ている普通の人間は描かれていなかった。
それなのにシン・エヴァでは映画の前半ではこういったネルフ外の世界で生きていて悩んだり喜んだり働いたりする普通の人々の”生活”が存分に描かれている。

そんな描写を見ると
人間ははどんな苦しい中にも僅かでも確実に希望を見出し生きていくっていうそんな人間の強さみたいなメッセージを感じた。


また、
東日本大震災から10年目となる
3.11前の月曜日から公開に踏み切った事はコロナ禍という事情もあるかとは思うのだが、何かしらの意図や、第3村で登場する力強く生きていく人々を通じて東日本大震災で被災した方々へのメッセージやエールなんかももあるのでは?と勝手ながら思った。

第3村のシーンをみるとカヲルくんの有名なセリフ

「希望は残っているよ。どんな時にもね」

このセリフを思い出して
私の勝手な解釈だけど第3村で色々な人々の場面を見ているとグッとくるものがある。


(あと第3村の豊かな自然が私の田舎に似ててそれもまた
コロナ禍で1年帰れなくなってしまってから帰りたいとずっと願っていた郷愁をめちゃくちゃ思い起こされて「うっ・・・・」ってなった。)



加持さんとミサトさんの子供の加持リョウジスイカ畑の回収

(以下息子の名前R.KAJI)

ケンスケがシンジ君にに合わせたい人がいると言ってスイカを育てているR.KAJIに出会わせる。R.KAJIは自分の母親(ミサトさん)のことも父親(加持さん)のことも知らずに環境を再生する手伝い?仕事?をしながら生きていた。


加持さんはシン・エヴァに直接的には出てこないけど(回想シーンとかには出る)加持さんの生きていた意味はしっかりつながっていた。

それを感じたのはこの加持さんの有名なシーン

戦闘の中、エヴァンゲリオンに乗らずに避難しようとしている碇シンジに対して加持さんはスイカ畑に水を上げながら

シンジ君、おれはここで水を撒く事しか出来ない。
だが君には、君しか出来ない、君になら出来る事があるはずだ。
誰も君に強要はしない、自分で考え、自分で決めろ...自分が今、何をすべきなのか。
ま、後悔のないようにな


と言ったシーンがありました。


ネルフやゼーレのスパイを行っている謎の動きが多かった加持さんの真の目的は将来滅びてしまう地球上の植物や動物の種を次の世代に残すことでした。

しかし加持さんはニアサードを止めるためミサトさんを残し
自分を犠牲にして死んでしまう。

なのでもう加持さんが出てくることはないんだろうなぁ・・・・と思っていたらシン・エヴァでなんとR.KAJIの登場で。
映画を見ながら「うおっ」って声を出してしまったw


加持さんの目的の話に戻るけど、
R.KAJIは父のことを知らずにスイカを育ている
そして父親の加持さんがしようとしたこと
(将来滅びてしまう地球上の植物や動物の種を次の世代に残すこと)をR.KAJIがかなえて,それを母親のミサトさんへと贈った。
このシーンは華麗にスイカの畑の話の回収をしていただけて
エモ過ぎて死んだ。


加持さんの真の目的である種の保存。
次の代へ種を残したいという気持ちはしっかりと次の世代(R.KAJI(息子))に引き継がれている。


「水をまくことしか出来ない」と言っていた加持さんだけど
まかれた水を次の世代はしっかりと受けとめて、
ちゃんと芽を出して
実をなした。


加持さん自身の命も願いもR.KAJIに引き継がれ確かに生き続けていた。


この第3村のシーンに共通する
次世代、次に引き継ぐ想いのようなものこそ、
シン・エヴァンゲリオン劇場版の伝えたい大きなメッセージであり
重要箇所のような気がした。


第3村のシーンを見て考えたこと思ったことのまとめおわり。

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