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最終回直前だから書いておこう ~ODDTAXI~

都会の片隅で起こった何気ない物事が、様々な人を繋ぎ大きな物事になっていってしまう群像劇。

2021春アニメ、個人的ナンバーワンのやつを最終回直前で少しでも広めたい、見てほしいという気持ちのGゲイルです。

とは言ったものの、この作品、群像劇という性質上、ネタバレ御法度だなぁと思うんですよね。正直、先出し記事とか検索とかしないで見てほしい感満載なので、何を書いたらいいか。

主人公の小戸川が41歳のおっさんなのに小難しいめんどくさい性格してるんですよ。いやもう、ホントめんどくさい。けど、このめんどくさい性格と、無駄にまじめな所がこの作品の肝で、狂言回しの役割も果たしているので、主人公としておくのは正しいんじゃないかなぁ。

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その小戸川の周りで女子高生失踪事件があったとニュースで流れます。警察は小戸川が関係、厳密には件の女子高生を客として乗せたという事で、その時のドライブレコーダーを巡る話が物語のスタートとなります。女子高生の素性によって反社の人間も動き出し、警察と反社と小戸川でドライブレコーダーを巡る色々な事柄が起こって……って、これじゃあ何がおもしろいのかよくわからんっすね。

その女子高生失踪事件を機にいろいろな事件が連鎖して起こったり明るみに出たりするんですが、そのほとんどが「人間の弱い所から生まれるともすれば他愛もない事件」ばかりなんです。で、その事件を乗り越える、解決する、決着をつける、心の整理をつけるお話なんです。

感情表現のメタファーとして大袈裟な表現を使ってはいるものの、正気と狂気の境目ってこんなに簡単に崩れるんだっていうのが物凄くうまくて、その境目を踏み越えてしまった結末っていうのも、すごくよく表現されているんですよ。他人や社会からしたらちっぽけな事かもしれないけど本人にとっては大きい問題だったり、その逆もしかり、本人にとってはちっぽけな事が社会的に大問題の事柄であったりと、そういう個人と社会の一線が違う、故に一線を越えてしまうという表現が非常に上手な作品で、本当に魅了されてしまいました。

もう一つ、上とも重なる話でもあるんですが、人間の欲望の表現の仕方が本当にうまい。キャラクターごとに生きるための至上命題、目標の表現が本当にわかりやすい。故に、どのキャラクターからも目を離せない。じゃあ、覚えることたくさんあるのかというと、その目標がシンプルにすっきりとしているので、情報量の割にすごく見やすい作品となっていると感じる。

正直、人を選ぶ作品だなぁという所は否めない所ですが、是非見てほしい。タクシーという閉鎖空間のドライブレコーダーから始まる人減の悲喜こもごもを、今ならamazonprimeで配信もやっているので最終回前にぜひ。



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