#水道民営化 賛成派を説得するビラ

 「命の水を考える会ぎふ」が作成したビラ。
 水道民営化、コンセッション方式、PFIを推進する勢力にとって触れられたくない内容がまとまっているので、積極的に活用しましょう。

画像1

----- ▽ ビラ開始 ▽ -----
水道民営化、コンセッション方式、PFIを実施するとどうなるのか?

 岐阜市には「岐阜市PPP/PFI手法導入優先的検討に関する指針」があり、「総事業費10億円以上の建設、製造、改修を含む公共事業」、「単年度事業費1億円以上の公共事業(運営等)」について、PPP/PFIを優先的に検討することになっており、今後、上下水道、中央卸売市場、その他のあらゆる公共事業、公共施設の運営が検討対象となりますので、海外の先行事例から学びましょう。

【 1984年 水道事業へのコンセッション方式導入 (パリ市) 】
・ 1984年
 ヴェオリア社、スエズ社とコンセッション方式の契約を締結。
・ 1985~2009年
 物価が70%上がる間に、水道料金が265%上昇
・ 2001年
 水道再公営化を公約に掲げたベルトラン・ドラノエ氏が市長選で当選。
・ 2010年
 水道再公営化
 理事会を市議11名、労働者代表2名、市民社会5名(監視機関1名、上下水道専門家2名、環境NGO1名、消費者団体1名)で構成。
 効率化によって3,500万EURを節減し、料金を8%引き下げ

【 1989年 水道事業の完全民営化 (イングランド) 】
・ 25年間で、物価が2倍に上がる間に、水道料金は3倍に上昇
・ ロンドン水道の運営をしている「テムズ・ウォーター社」が、
 事業収益をケイマン諸島のタックス・ヘイブン等に逃して節税
・ 会計の負債を膨らませ、老朽施設の更新の投資を怠った
 (政府の規制機関は、会計のトリックを見抜けなかった。)

【 英国会計検査院(NAO)の報告書「PFI and PF2」 (2018年1月18日) 】

PFIが公的な財政にプラスであるという証拠は乏しい

・ 総じて公的に資金調達されたプロジェクトよりPFIスキームは高くつく

・ 学校建設の分析では政府が直接ファイナンスするよりも40%割高

・ PFIでは、公共による資金調達よりも2から4%(一部では5%も)資金調達コストが高く、さらに多額の付加的な費用(資金調達のアレンジメント・フィーが元本の1%程度、マネージメント・フィーが事業総額の1~2%程度など。)がかかる

・ 公共部門にとっては、25年から30年という長期スパンでは費用がかさむとしても、短期又は中期的(5年程度)で見ると負債を圧縮できるので魅力的である。このため公共部門の意思決定がPFIに好意的になり、PFI事業を進めるために、VFM(Value for Money)評価が甘くなる

・ 英国財務省はPFIのメリットとして、事業リスクを民間に移転できること、長期的なランニングコストが軽減されること、を挙げていた。しかし、実際にはこれらは概ね実現されず、PFI事業は開始時には予見していなかったコストをカバーするために高くついた

英国でのPFIのピークは金融危機直前の2007年から2008年(86億ポンド)であり、その後急速に減少現在では1990年初頭(PFIが始まった頃)よりも案件の額が少ない

※ 「PFI (Private Finance Initiative)」とは、公共施設等の建設、維持管理、運営等を民間の資金、経営能力及び技術的能力を活用して行う手法。

※ 「コンセッション方式」とは、PFIの一類型で、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を公共主体が有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式。運営権に抵当権を設定することができる。

 2018年10月29日、英国のフィリップ・ハモンド財務大臣は、「今後新規のPFI事業は行わない」と宣言。

命の水を考える会ぎふ http://gifuwater.nobu-naga.net/
----- ▲ ビラ終了 ▲ -----

[引用元] https://www.facebook.com/dra.chu.505/posts/160055051985660


< 関連資料 >

■ 英国会計検査院(National Audit Office)「PFI and PF2」
https://www.nao.org.uk/report/pfi-and-pf2/

■ 「PFIは終わったのか ~英国はPFI・PF2に終止符~」(馬場康郎 三菱UFJリサーチ&コンサルティング 経済政策部 副主任研究員 / 2018年11月06日)
https://www.murc.jp/report/rc/column/search_now/sn181106/

■ 『イギリスにおけるPFIの「終焉」と現在の行政民間化の論点』(榊原秀訓 南山大学 法務研究科 教授 / 2019年6月28日)
https://nanzan-u.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=2853&item_no=1&page_id=13&block_id=21