見出し画像

わたしを変えた、1枚の未来地図ー『迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図』横田伊佐男


目標なら立てられるし、夢も描ける。
だけど実際には、描いて終わりがち。


…長年やってきた、新年に立てる“目標”なんて、その最たるもの。何年そうやって、張りぼてみたいな目標を立てては、記憶の彼方に捨ててきたのか…



“〇〇する方法”なら、その辺にいくらでも転がってる。
それだけを拾っても、その時はテンション上がるものの、成果に結実しないのは
そもそもが、“張りぼて”目標から変わっていないからだろう。



もう、それはいらない。
もっと実践的で、もっと確実なものが欲しかった。
『私だけの』やり方、決め事、道筋…

カタイ言葉で言うなら、
“戦略的な実行軸”が欲しくて、この本を読んだ。



目標に限らず、何でもそうだが
結局は、具体的に出していかなきゃ、何も始まらない。
“寅さんが、甥に鉛筆を売る”
最後の決め台詞そのままだ。



“すぐ出せ。さっさと出せ”



目標ひとつでも、
未完だろうが何だろうが、出して、そこから初めて
自己理解の一歩が始まる。


何度でも考え直し、書き直して進むしかない。その過程が、この本には
生きる目的すら見失った、ひとりの男の話で描かれている。



この本を手に取れたなら、誰もが
新しいステージへ一歩、踏み出している。ってこと。

“描いた地図で進む未来”への一歩だ。それもやはり、
描き出さなきゃ、始まらない。



“1枚の未来地図”は
どこかから買ってくるものではないし
宝探しのように、古い地図が突然、授けられるものでもない。
人の頭の中から、描き出すもの。

言葉一つでも、目標めいたことを書きだせるのならもう、一歩踏み出しているのと同じことだ。
そこからがスタート。



死を決意した男が、師と出会ったように
確かな道が欲しいと願って、
この本と出会えた。

彼のように死を思ったことはあるし
だけどそれに、のまれることもなく
まだ私は生きている。

生き残っているのは、おかしな考えを起こさなかった、とも言えるけど
ただ、やみくもにブレーキを踏み続けた結果、とも言えてしまうわけだ。

生き残れたから、こんな指南書と出会えたわけで
描き出す準備は整っている。とも言えるね。

その証拠に、自殺を思い留まった男が
問われるままに答えた目標から、
戦略が、戦術が、そして仕事に、なっていく過程が
そのための考え方が、この本にはしっかりとある。

本を開けば、目の前に
教えを乞う男と、指南する師のやり取りが展開されているのだ。



それをなぞりながら、読み進めるほどに露わになるのは
自分が、今までに書いたものが
何一つ分かりやすくなかった!という事実。

結局のところ、自分が何も決めていなかった!という、一番見たくないところ。
…そこに目を向けられるかどうかが、この本を読み進められるかどうかの分かれ目。

落ち着いて考えれば、ごく当たり前のことで。
見たくないところも、見渡した上で、決め続けるのがリーダー。
その、一番重要な仕事が、手付かずでいて
『目標が叶わない』と嘆くことほど、馬鹿馬鹿しいこともない。



一番手に取らないタイプの、カタい面白みのない本だと、勝手に想像していたけど
この本を頼って、思考の天井を外すことができた。

そこからはまた、すぐ迷走するのもまた人間。だけど
落ちぶれた経営者と、経営者の教授のストーリーは、読むたびに、

いま必要なこと、
見るべきこと、
決めるべきこと

を教えてくれる。


1枚の未来地図に、描いたことが
軸をぶらすことなく、大きく発展する。



“競合は気配で感じろ”

“細部にこだわり続ける執念”


リーダーにしか、私にしかできない仕事は
わたしにしか描けない地図を、描くことだった。
何度でも描き直せる、1枚の未来地図を。


わたしを変えた、1枚の未来地図。


迷えるリーダーがいますぐ持つべき1枚の未来地図

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?