夫源病
わたしは人の人生を生きすぎていた。
そう痛感する。
齢30、
わたしはわたしという名の人間を、人生をほんとんど生きてこなかった、と言っても過言ではない。
ふと一瞬、時折、あるのはあるのだけれど
それはあまりにも一瞬すぎて
流れ星と似ている気がする。
何故だろうか、それをよくよく考えてみる。
考えてみると、それはむくっと顔を出す。
今か今かと待っていましたと言うまでもない、とでも言うように。
やつらは我が物顔でわたしと言う人間を首を長くしすぎて待ちくたびれた様子でやってきた。
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