見出し画像

知的ギフテッド群と境界域知的機能群を比較〜WISC-Ⅴの臨床群〜


主要指標と補助指標を知的ギフテッド群と境界域の知的機能群と軽度知的障害群。臨床群で比較したらどうなるのだろう。

文科省は知的障害は「認知や言語などにかかわる知的機能」の発達に遅れがあると。低い知能とともに概念面,社会面,実用面の3つ領域にの適応障害が見られる。
ウェクスラー検査で観察可能なのは,知能と概念(論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考)。とりわけ概念は知的障害が最も苦手なことと言える。逆に知的ギフテッドは最も得意な領域。

WISC-Ⅴの理論解釈マニュアルの知的ギフテッド群と境界域知的機能群と比較してみた。
差が最小さかったのが処理速度(PSI)。想定はしていたが,その得点差は17.8ポイント。この点だけでもたっぷり妄究は働かせられるのだが・・・。

差が大きかったのは,FSIQとGAI。これも当たり前。

主要指標と補助指標で見ると差が40ポイント以上が聴覚ワーキングメモリー(AWMI),言語理解(VCI),量的推理(OR)非言語性推能力(NVI)

 意外だったのがFRIがPSIの次に差が小さかったこと。なぜだろう。愚僧の中では,流動性推理は大きな差が出ると想定していた。いつか考えないと。

今回の妄究から言語理解,量的推理は,知能の中核として考えていいのかな。聴覚ワーキングメモリーとワーキングメモリーはそれを下支えしている。境界域知的機能群はこの能力が低く,学校という場では言語理解は国語と量的推理は算数の困難さと結びつくのではと。

二つの臨床群を比較すとることで,「知能とは?」「ギフテッドネスとは?」というテーマに迫れるのでは妄想する次第で・・・。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?