円からの脱出#4お金の生産コスト
こんにちは第4階回です。今回は19世紀まで扱われていた貨幣について説明していきたいと思います。私自身もしっかりとみなさんに学びを提供させていただき、必ず役に立つことを約束します。
みなさんはフェイという通貨をご存知でしょうか?おそらく大半の人がNOと答えるでしょう。
フェイというのは、ミクロネシア連邦ヤップ島で使われた石の通貨であり、石灰石から採掘される円盤型の巨石です。大きさは様々で、当時はこれが通貨だったんです。
このフェイは移動することができず、作り出すのも用意ではありませんでした。
フェイの保有権を取引先に移転することで、通貨としての役割を果たしており、民族の規模も小さかったため、村の人に口頭で保有権の移転を伝えることができ、誰が保有者なのかを伝えることも容易でした。
しかし、ある時オキーフと呼ばれる人物がヤップ島へたどり着き、フェイの存在を知った後に大陸から大量のフェイと同様のものを持ってきました。
そう。ヤップ島の中ではフェイの生産コストは高かったのですが、ヤップ島以外の場所では生産コストは低く住んだため、オキーフはヤップ島以外から運んできたのです。この時村の住民は、オキーフのフェイを受け入れる者もいれば、受け入れない者もいました。結果的にフェイを受け入れるようになっていきました。果たしてこれは良い決断だったのでしょうか。
住民の視点を現代らしく見てみましょう。
いきなり宇宙人が現れ、大量の円を目の前に置いてきた。その額はなんと1000兆円。
こんなのが起きたらお金に困らない暮らしができるので私も喉から手が出るほど欲しいですね。ですが、ここが落とし穴なんです。
フェイが通貨としての役割を果たせていたのはフェイの生産コストが高かったからであり、簡単にフェイが手に入ってしまうようであれば、今まで通りの価値基準ではバランスが崩れてしまいます。
1つ家を建てるのに1フェイだったのが、2フェイ、3フェイ、、、、
とどんどん必要なフェイの数は増えていきます。そしてもう一つの落とし穴が、生産コストが高く、フェイを簡単に作れるのはヤップ島の民ではないということ。
これはどういうことかというと、外部のフェイをヤップ島に取り入れるにはヤップ島で売買をしなければならない。ヤップ島の民からしたらフェイが増えることは喜ばしい。オキーフ側はヤップ島のものが簡単に手に入るので喜ばしい。お互いにwinwinに見えますがこれが継続すると、自然とヤップ島ではフェイの量が増え、ヤップ島で作っていたものは海外に広まり、ヤップ島でしか作れないものではなくなった瞬間ヤップ島への希少価値が下がるのです。しまいには、外部の人はフェイは必要ないためヤップ島側の輸入は困難になっていきます。
これをインフレと呼びます。通貨の供給量が増え、通貨の価値が下がる。そして今回有料で読んでいただいているので、2つの考え方を授けます。それは、ハードマネーとイージーマネーです。
ハードマネー :生産コストが高い通貨
イージーマネー:生産コストが低い通貨
たったこれだけ?と思うかもしれませんが、前回や、前々回のノートで説明したように法定通貨は国に対する付加価値で評価しており、政府や日銀が日本に対して価値創造をすることで円を増刷することが可能です。
それに対して、フェイは実際に掘り起こして形を作らなければならないもので、創造しただけで作れるものではありません。オキーフが来たことによりフェイはイージーマネーと化しましたが、もしもオキーフが来なければ、今でもフェイは通貨としての役割を果たせたでしょう。
それはフェイがヤップ島の民にとってハードマネーであったからです。
ここまで来たら私が言いたいことはわかると思いますが、法定通貨はイージーマネーです。
そのため政府による価値創造で私達の資産は次第に減り、コーラ1本が160円から320円、640円、どんどん物価は上昇していきます。
フェイも同様、1つ家を建てるのに1フェイから2フェイ、3フェイ、
理由は簡単。流通しすぎているからです。
今回はとても長く書いてしまいましたが、通貨の本質はイージーマネーかハードマネーか、そしてその通貨の支配権が政府に支配されているかしていないかの2択で国民の生活スタイルは大きく変わります。
まだまだ続きますのでどうぞよろしくお願いします。ありがとうございました。
この内容はビットコインスタンダードに書かれております。
参考文献:ビットコインスタンダード
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