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種田山頭火と尾崎放哉

種田山頭火は痺れている。
電気クラゲの攻撃を受けたのだ。

一方、尾崎放哉は燃えている。
レッドドラゴンの炎に焼かれているのだ。

それぞれ傷を受けて、瀕死の状態であることに間違いはない。
それでもなお、歌を作ろうとしているところに両者の心意気を感じます。

彼らは真から詩人なんだなあ、とオーディエンスは興奮気味。
どよめきが漏れて、溜まっていきます。

電気クラゲがさらに追い打ちをかけるぞ。
触手を伸ばして山頭火の体をぐるぐる巻きにして、締め付けた上で電気を与えて痺れさせている。
これは痛く、息も苦しい。

レッドドラゴンの炎も強くなる。
口はその熱に耐えるような構造になっているわけですが、そこから尖った刃物である牙で放哉の肩に齧り付いて肉を焼きながら食っている。
肩をやられた放哉はもう書けないはず、もう諦めて欲しい。
このままだと死んでしまう。
やめよう、こんな不毛な戦いはやめよう。

電気クラゲの方が弱いように思っているかも知れませんが、とんでもない。
大きさで言えばレッドドラゴン3匹分が電気クラゲ1匹。
3匹集めれば電気クラゲ1匹もらえる交換所もある。

格、から言えば山頭火が上だから、電気クラゲを選んだわけで、そんなでかいクラゲに電気と触手で攻撃を受けている山頭火の意識はない。

それでも、二人の筆は止まらない。
止められない。
その模様を、見られることを誇りに思いますよ。

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