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パパイヤの実、たれる

路地にパパイヤの実が垂れている。
それを手に取り、ボリっともいだら、立派なパパイヤが手に入る。
そのパパイヤは誰のものなのか、日本の民法では実はその木の敷地の持ち主である。
だから通りかかった僕がもいで取得したら、法律違反ということになる。
いや、これは民法だから、法律違反というわけではなくて、あくまでも契約上の不具合、木の持ち主が優しい心の持ち主で、僕がパパイヤをもいだことを気にしなかったら、問題ない。
逆に、触っただけでいちゃもんをつけるような輩だったなら、困ったことになる。
いや、このパパイヤが路地まではみ出てきているだけだから、それを手に取ることは特に問題ないはず。
それをもいで、取得したら途端に怒鳴り声を上げるのだ。
触るだけ触るだけ触るだけ、パパイヤを触ってもがないわけがない。
僕はもいでしまうだろう。
そしてかじるのだ、その持ち主の目の前で堂々と。

悲鳴、怒号、暴力、パトカーの警笛。

大丈夫、日本の路地にパパイヤは垂れていない。

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