視彩縫眼(sisai ayame)

地位も名誉もいらないから。言葉の世界に生きて骨を埋めたい。私はそんな人間です。 読書…

視彩縫眼(sisai ayame)

地位も名誉もいらないから。言葉の世界に生きて骨を埋めたい。私はそんな人間です。 読書が娯楽だった小学生の頃から、今は書く側になって生き方になった。 人の人生を変えられるような少し温かさのあるモノを、そんなエゴは二の次に、ただ書きたい作品を書いて投稿します。

最近の記事

(1)ひと声

   僕という人間はそうだ。矛盾を抱えて生きている。  いつも、クラスのお調子者のような分かりやすい人間に嫉妬している、都度気づくと自己嫌悪が始まる。だから、一人の時間はなるべく作らないようにする。考えずにいるために。  しかしどうだろう、いま僕は屋上への清潔に掃除された階段を登っているじゃないか。一人の時間に逃げようとしているじゃないか。  気が狂っているんだ。  そんないつもと違った行動をした日、僕は気の狂ったようにおかしな出会いをした。  開けた扉の向こうには、ひとり

    • お断りを入れておく(連載小説

         はじめに断っておくが、これは恋の物語ではないと言うことだ。俺の名前は黄瓦芳でファーストコンタクトということで格好をつけさせてもらうと、これは今作のヒロイン、神楽尚という2日ごとに記憶を失う彼女に寄り添う僕の物語である。  この物語は作者都合で200文字から400文字程度で毎日連載していく話だから読みやすいと思う。  実は格好のつかないことを白状すると、これは未熟な僕を彼女に成長させてもらう話でもある。  自分でもおかしな始まりだったと自覚しているし、彼女にも毎日どやされ

      • 逆境 (短歌)

         境涯園の自殺企図  励むは遠く遠のく白弥  縁なむ  (きょうがいえん・じさつきと・しらみ・ゆかり)

        • 友人 (短歌)

            過去の友人  悔しい別れでいく月たって  忘れられない人よ

          長文自己満足お気持ち表明

          #エッセイ #長文おna… 「理想を抱いて死ね」 私の好きなあるキャラクターのセリフです。 酷く鮮烈に現実を押し付けて叱咤する言葉だと思うんです。そして私の生き方に影響を与えた言葉でもあります。 私は今、理想と現実の狭間、感情と理屈の合間を綱渡りで生きています。そこに言葉の深みがあると信じているからです。 私は可能なら、言葉の海に散骨をするようにして生涯を終えたい、人生で培った血肉を全て、言葉の世界に捧げたい。そう願って止まないのです。 心が、人からの理解を求めて

          長文自己満足お気持ち表明

          恋は繋がり (短歌)

           束縛されたくない  自由でいたい  2つは矛盾  だって恋だから    あなたを好きでいるから  嫌われたくないから  束縛されたくないから繋がれる    でもねあなた  一方的な愛は秘せるの  大好きよ  信じなくていい

          恋は繋がり (短歌)

          麦わらの脱帽(短歌)

           はらり飛ぶ  心のように旅立つ  きっと善くなる  そう願ってはね    ダメだよね  そのくらいの気持ちじゃあ  ただ、はらりと  覚悟していてね

          麦わらの脱帽(短歌)

          憂れい (短歌)

           明日へ続く幽霊のような  遠く伸びる影  涼し気な顔をして嘲う    「まだだよ」と近くにいる  誰を思い出すわけもない  嬉しい風    憂うものも気配ることある  けど、楽しんでる自分もいる  それだけ

          熟落 (詩)

            老もうの  転換の帰途に(きと)  喜びはなくて  持つもの  明日は晴れるかな    遠く見えない雲のキズ  まるで行き着いた憤りのよう  まるで砲煙    儚いか?  労るか?(いたわる)  そうともそうしろ  夢の足跡をもいで泣かせろ    残り火をそっと包むように  眠り語り尽くせぬ過去を  ただそっと    未だ抜けない渇きの波  白んだ焔はそっと立つ  少し揺れている

          コトバのない啼り(うなり)(短歌)

            熱いケモノが後背を追う(こうぜい)  君は狩りの音の厭狽を去る(ね)(けんばい)    眼下で消え入る(もっか)  上背のない君(うわぜ)  申の見えない私を許せ(さる)    溶ける脳に足らない舌に  手負いの御を(み)  譲り騙るカラダを許して(ゆすりかたる)    空振る不甲斐なさに掌握を(けんしょう)  悔いる足に根をぶつけ株の分け目  駆け登る    至る道の見晴らしの出来る  そんな視野の原に  気まぐれに    振り向く頚部に止まる足に(けいぶ)  牙を抜か

          コトバのない啼り(うなり)(短歌)

          架けの皿と付属物(エッセイ)

          馬鹿であれば知らずに済んだこと、 知ってしまったから乗り越えられたこと、 天秤にかけるには、あまりに付属物が多すぎる。 皿には収まらない。 あまりに吊り合わない。 それは安定を摂(と)る一つの貯えと、それを打ち毀(こわ)す甘さに似ている。けれど、甘味を摂る人間の方が頭の回るもの。 頭を使う人間の方が、安定を壊すことに躊躇がない。なぜか、付属物を"得て"いるからだ。 そして応用が効く。頭を使える人がより辛酸の壁を乗り越えて経験を培っていく、その自信や経験は無知の無辜(むこ)さ

          架けの皿と付属物(エッセイ)

          白痴(短歌)

          #短歌  白痴明日を知らず(はくち:あす)  未知への恐れはふれた気を渇らす(か)  蛇の道は蛇と(じゃ:へび)  すくむ足に声がかかる  「こどくには抗えない」  叫ぶ声  遠い明かりこそ  生きることに楽しみがある  道半ば(なか)

          知る(詩)

          #詩 あたまの質がなければ知らないものの量に押しつぶされるのは必須だろう 無辜の心は尊いが豪くたっとくはないからだ[無辜・むこ] あたまの質を高めれば知らないことが増えて行くように絶望するのだ あたまの質は優に知るを獲るだろうかそれは知らずを知るというのだ   知るというのは度し難いもの知らなかった傷が増えて行くものだ その数に指を折るも膝を折るも 蛆に蓋をするも知った傍から寄与されるのだ[蛆・うじ 傍・そば 寄与・きよ] 知らない無辜と知る痛みと 可愛いのはどちらだろう

          路傍の探求

           私は語彙力が欲しい。#ひとりごと 心にすんなり染み込むような言葉が。 そうでないと。足下の揺れるような不安が付きまとう。その脱却を望みながら親しんでしまうことに嘲けりや危うさを感じる。 だから私は留まれない、語彙を探求したい。それにきっとそこには楽しみがあるから。

          君にほろ酔いの一晩

          #詩 疲れた心にはひととき限りの果糖を焚べよう。 疲れた目は大きく瞬いて、うたう身に安らぎを与えよう。 葡萄酒の鏡面から覗く灯りに陶酔しよう。 ほろ酔いの理性は少しだけ澄んで見えて、妖艶に煌く。 あゝ明日が遠くに明日が手元に、誘われる蠱惑の煩悩に、ひとり机上の岐路にかえされるように。 一刻が一刻として一夜を眠らせる。夢にはひとかけらの知性を真珠層がごとく鳴かせよう。 誘われる眠りに身を預け、一つの我欲に頭を浸かれるように。 背筋を伸ばして寝所を起き上がれるように。

          君にほろ酔いの一晩

          愛憎 (短歌連作)

           相互扶助(そうごふじょ)  互い違いの裏表  喜曳(ひ)き切羽発(せっぱつ)  君に銃口    怒る矛先  彼と違える道連れに  舞踏する場所  切っ先の園(その)    愛苦しい  悲しみの血の  雨音ひびく  明日はいっそう  愛(かな)しかろう    晴らせるものか  何がわかるか  一度見捨てたお前に  お前なんかに

          愛憎 (短歌連作)