アルバイト先のお宅に
犬がいて
玄関先で お嬢さんが
ゴロゴロっと 
雷の真似をするだけで
怯えた様子だった

よほど怖い思いをしたのだろう
かわいそうに 敢えて触れなければ
その日も穏やかに過ぎゆく筈だったのに

帰宅してその話をしたら
父が子どもの頃に
家で飼っていた犬も
ある夏の日
雷鳴にびっくりして
逃げてしまったそうだ

しばらくして ふと通りかかった
そう離れていない よその家の前で
その犬を見かけたそうだ

様子を見るに すっかり馴染んでいたので
そのままにしておいたと聞いた

元の名前は アスターという名だった
新たに何と呼ばれて暮らしたのだろうか

冬の最中に雷鳴が轟くと思い出す
その2匹の犬のこと






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?