哲学 理系 文系 〜定義〜

一般的に学問体系は理系、文系とあるが
その2種類の基盤にあり共通しているのは哲学である。
では、哲学とはなにか?
哲学者の言葉を引用する。

4.11 哲学は自然科学ではない。
4.12 哲学の目的は思考の論理的明晰化である。哲学は学説ではなく、活動である。哲学の仕事の本質は解明することにある。

「論理哲学論考」 ウィトゲンシュタイン著 岩波文庫

哲学とは考えることその行為それ自体の事
では何について考えるのか。それは真実である。
真実とは当たり前だが間違いや嘘がないこと。
つまりゲームの攻略法を手にしたようなものである。

その攻略法を用いて自然を攻略してみる。
絶対に変わらない法則を導きだすことができた。
法則に基づいて自然全体の真理を突き詰めるそれが理系。

一方で人と人が作った社会を攻略してみる。
それらしい理論はできるが法則を導きだすことはできない。
ただし因果関係を説明することはできる。
人間とその社会を法則に基づいて突き詰めたところ
頑張っても因果関係を説明することしかできない。それが文系。
しかも社会が複雑すぎてなぜという疑問を的確に説明できない。

社会科学に関する特徴について経済学者の言葉を引用する。

社会科学研究の目的は、各種の意見がすべて代表されたオープンな民主論争にとって代わるような数学的確実性を作り出すことではない。しかし、数字との取り組みを拒絶したところで、それが最も恵まれない人の利益にかなうことなどまずありえないのだ。

21世紀の資本 トマ・ピケティ みすず書房

数学的確実性、すなわち法則を導きだすことはできず過去に起こった出来事の因果関係を説明することしかできない。しかし、研究を通してしか分からなかったこともありうる。

経営においても、薄利多売するほうがよいか、ブランディングするべきかどちらが売上が上がるかは分からない。
経済においても、港を作れば経済成長するかと言われれば、輸出入するものや立地が悪く、過剰融資で返済を滞ればスリランカのように破綻することもある。

何れにせよ社会科学は、はっきりと断定できることもできなければ法則を作ることもできない。
そこが面白さでもあるのだけれど。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?