ホントのところ、卒業の季節に桜なんて咲かない。現実はそれほどドラマチックではないのだ。
賑やかな声を尻目に僕は帰り支度を整え教室のドアに手をかける。驚くほど未練がましくゆっくりと。

ーーああきっと。ああ僕は。君らと友達になりたかった。


だけれどそうじゃないからさようなら。

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