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こんな北朝鮮に注目! 危険伴うガソリン貝焼き

「ガソリン貝焼き」。別に北朝鮮の恐ろしい処刑の名称ではない。韓国の人気ドラマ「愛の不時着」で、リ・ジョンヒョク(ヒョンビン)の部下たちがソジュを飲みながら、うまそうに食べていたアレだ。黄海に面した港町である南浦(ナムポ)の名物で、ハマグリをガソリンで焼く北朝鮮のおすすめグルメ。ガソリン貝焼きは南浦を訪れる観光客がまず一押しするという。南浦の美しい景色を見ながら、非常に変わった方法で調理するわけだが、このガソリン貝焼きに中国などからの観光客も舌鼓を打つ。調理法は非常に簡単で、適当な場所に金属の箱を置く。その中に、新鮮なハマグリを、口を下に向けて立てて、ぎっしりと詰める。貝の上にガソリンをかけた後、火をつけて5〜10分間焼く。焼くだけであるが、これが本当に激しく燃える。炎を使ったマジックショーを彷彿する。ガソリンを途中で追加するため、その時に引火すると非常に危ない。日本ではまず無理、絶対にNGである。

ガソリンに焼けた貝の外側は黒くなる、貝の口を開ければ中には白くて柔らかい貝の汁がいっぱい。しょうゆも必要ない。ただ、貝焼きは、北朝鮮では一般人は食べられない高級料理。海辺で調理して食べるので、10月下旬を過ぎると味わうことができないらしい。

韓国で、「北朝鮮のガソリン貝焼きを知っていますか?」と聞いてみた。ガソリン貝焼き?食べ物にガソリン?食べても大丈夫かな?本物?名前だけ聞いたらほとんどの人はそう思うのは当然である。

南浦は平壌の外港。ある脱北男性にとっても、平壌で最も懐かしい食べ物が貝焼きだという。平壌といえば、冷麺とタンコギ(犬の肉)が代表的な食である。冷麺の店では玉流館(オンニュグァン)、タンコギは統一通りの店が有名。ただそれに匹敵するのがまさに貝焼きなのだという。有名レストランを探しに行く必要もなく、熟練の料理人の味付けもいらない。誰でも焼き方を少し身に付ければ、簡単に作れる。ただかなりの危険を伴うが。材料はハマグリのみ。そのままの味が楽しめる北朝鮮ならではのレシピだ。

特に危ないガソリンのかけ方について解説したい。ハマグリの上にガソリンを少しずつ振りかけるのだが、ガソリンは揮発性であるため非常に危険。代替品として燃料用アルコールなどをお勧めしたい。周辺にはバケツの水を用意する。ハマグリは口を下にしているため、貝の中にガソリンは入らない。貝を食べる時は熱燗がいい。お猪口はいらない。食べた後の貝の殻が、いい盃になり、風情たっぷりの楽しみ方ができそうだ。

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