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首都直下地震被害想定の大切な数字や項目をすべて箇条書きにしました

こんな方におすすめ

今後30年間で70%の確立で起きる可能性が示唆されている首都直下大地震、どんな感じで被害が想定されているのかあまり知られていません。
首都圏に住んでいる人やご家族をお持ちの方、首都圏に本社や主要機能を持っている企業に勤める人などの方々に是非お読みいただきたいです。

書かれていること

内閣府防災「首都直下地震対策」ホームページで公開されている被害想定をChatGPTを使ってサマライズ(要約)したものです。大量の情報の中で、【ザックリ】とポイントを知ることができます。
正確に知りたい場合には是非内閣府防災「首都直下地震対策」ホームページで確認することができますのでお勧めします。

注意点

  • サマライズされた文章はChatGPTによる生成されたものです。Written with ChatGPT

  • サマライズ文章のより正確な内容を確認する場合には必ず原文をチェックしてください。

  • AIの特徴から、本文中で語尾が「考えられる」「想定される」「可能性があります」などの曖昧な表現が変化している可能性があります。

  • サマライズ文章は、事象に影響する詳細な条件などが記述されていない可能性があります。

  • 本編を読みたい方は 内閣府の首都直下地震対策ページを参照してください。


第1章 検討の背景、想定対象とする地震

第1節 検討経緯、報告の視点

  • 現行の対策:

    • 現行の首都直下地震対策は、平成17年9月に中央防災会議で決定された「首都直下地震対策大綱」に基づいて進められている。

    • 各省庁、地方自治体、事業者が連携して施策を推進。

  • 東日本大震災の影響:

    • 平成23年3月の東北地方太平洋沖地震を受けて、「最大クラスの巨大地震・津波」を考慮する必要が生じた。

  • モデル検討会の設立:

    • 平成23年8月に内閣府が「首都直下地震モデル検討会」を設置。

    • 相模トラフ沿いの大規模地震も含め、様々な地震について検討。

    • 最新の科学的知見に基づいて震度分布や津波高を試算。

  • 地震の周期性:

    • 相模トラフの海溝型大規模地震は数百年単位の周期で発生。

  • 設定された対象地震:

    • マグニチュード(M)7クラスの地震で、被害が大きく首都中枢機能に影響を与える地震。

    • 相模トラフ沿いの大規模地震も長期的に考慮。

  • 被害想定:

    • 単なる定量的な被害想定ではなく、時間経過や関連事象も考慮。

    • 対策の実施の困難性を含めて現実的な想定。

  • 対策の方向性:

    • 現行の施策を継続しつつ、新たな課題に対応する対策を検討。

    • 自助・共助・公助の一体化で被害最小化と早期復旧・復興を目指す。

  • 期待される活用:

    • 本報告が行政、施設管理者、民間企業、地域、個人の防災・減災対策の具体的な材料として役立つことを期待。

首都直下のM7クラスの地震および相模トラフ沿いのM8クラスの地震について

概要

首都及びその周辺地域は、M7クラスの地震や相模トラフ沿いのM8クラスの大規模地震が過去に発生している。これらの地震に対する防災・減災対策の検討が進められている。

1. 首都直下で発生する地震のタイプ

首都周辺のプレート構造が複雑であり、以下の6つのタイプに分類される地震が発生する可能性がある:

  1. 地殻内(北米プレートまたはフィリピン海プレート)の浅い地震

  2. フィリピン海プレートと北米プレートの境界の地震

  3. フィリピン海プレート内の地震

  4. フィリピン海プレートと太平洋プレートの境界の地震

  5. 太平洋プレート内の地震

  6. フィリピン海プレートおよび北米プレートと太平洋プレートの境界の地震

2. 首都直下のM7クラスの地震

検討対象地震

  • 都区部および首都地域の中核都市直下の地震:フィリピン海プレート内の地震や地殻内の地震が対象。12地震を想定し、例えば、都心南部、都心東部、都心西部、千葉市、市原市、立川市、川崎市、東京湾、羽田空港、成田空港直下が含まれる。

  • フィリピン海プレートと北米プレート境界の地震:茨城県南部、茨城・埼玉県境を震源とする地震。

  • 主要な活断層における地震:立川断層帯、伊勢原断層帯、三浦半島断層群、関東平野北西縁断層帯。

  • 西相模灘の地震:伊豆半島東方沖を震源とする地震。

3. M8クラスの海溝型地震

代表的な地震

  • 1923年大正関東地震:相模トラフ沿いで発生。震度分布は首都地域の広域に影響し、津波高は東京湾内で2m程度。

  • 1703年元禄関東地震:相模トラフ沿いで発生。津波高は東京湾内で3m程度。

  • 1677年延宝房総沖地震:日本海溝、伊豆小笠原海溝沿いで発生。津波高は千葉県や茨城県沿岸で4~6m程度。

4. 相模トラフ沿いの最大クラスの地震

  • 震源断層域:相模トラフ沿いの海底探査結果を基に設定。地震の規模はMw8.7。

  • 震度分布と津波高:首都地域の広域に大きな揺れが発生し、津波高は東京湾内で3m程度、神奈川県や千葉県で10mを超える場合がある。

結論

首都直下および相模トラフ沿いで発生する地震は、多様なタイプと規模を持ち、その防災・減災対策が必要とされている。最新の科学的知見を基に、具体的な地震・津波対策の検討が進められている。

首都直下地震の発生履歴と地震発生の可能性

1. M7クラスの首都直下地震

  • 過去の履歴: 首都及びその周辺で、元禄関東地震や大正関東地震の前にも複数回発生している。

  • 周期性: 元禄関東地震後の70?80年間は静穏、その後複数回M7前後の地震が発生し、次に大正関東地震が起きた。

  • 現在の状況: 大正関東地震から約90年間は比較的静穏。このため、今後M7クラスの地震が複数回発生する可能性がある。

  • 発生確率: 地震調査委員会(2004)によると、南関東地域でM7クラスの地震が30年以内に発生する確率は70%。

2. M8クラスの海溝型地震

  • 大正関東地震タイプ

    • 過去の地震: 1923年大正関東地震、1703年元禄関東地震、1293年永仁関東地震。

    • 周期性: M8クラスの地震は200?400年周期。

    • 現在の状況: 大正関東地震から90年が経過し、当面の発生可能性は低いが、今後100年先には発生の可能性が高まる。

    • 発生確率: 地震調査委員会(2004)によると、今後30年間の発生確率は0?2%。

  • 元禄関東地震タイプ

    • 地殻変動: 過去7000年間に4回、2000?3000年周期で大きな隆起を示す地殻変動。

    • 現在の状況: 元禄関東地震(1703年)以降、同タイプの地震発生は暫く無いと考えられる。

    • 発生確率: 地震調査委員会(2004)によると、今後30年間の発生確率はほぼ0%。

  • 最大クラスの地震

    • 地殻変動: 最大クラスの地震は房総半島で5?10mの隆起をもたらす。

    • 周期性: 発生間隔は2000?3000年、もしくはそれ以上。

  • 延宝房総沖地震タイプ

    • 過去の地震: 1677年延宝房総沖地震。

    • 発生メカニズム: 太平洋プレートの沈み込みに伴う津波地震。

    • 現在の状況: 東北地方太平洋沖地震の震源断層域の南側に位置し、誘発される可能性がある。

    • 発生確率: 地震調査委員会(2011)によると、発生確率は7%。

  • 房総半島の南東沖で想定される地震

    • 地殻変動: GNSSによる地殻変動観測から、ひずみが蓄積されている可能性。

    • 発生の可能性: 過去に発生の確認なし、今後の調査が必要。

    • 津波のリスク: 房総半島の太平洋側で6?8m、高いところで10mの津波が発生する可能性があるため、津波避難の検討が望ましい。

対策の対象とする地震

1. 最大クラスの地震・津波の考え方

  • 教訓: 東北地方太平洋沖地震を教訓に、「あらゆる可能性を考慮した最大クラスの地震・津波」を想定。

  • 対策の観点: 発生頻度は低いが、甚大な被害をもたらす最大クラスの津波を想定し、避難を中心に対策を実施。

2. 南海トラフの最大クラスの地震の発生可能性

  • 発生周期: 100?150年周期で発生。

  • 最近の地震: 最も新しい地震は昭和南海地震(67年前)。

  • 発生形態: 同時発生や時間差発生の可能性があるが、最大クラスの地震の次回発生は不明。

3. 相模トラフの最大クラスの地震の発生可能性

  • 発生周期: 200?400年周期で発生。

  • 過去の地震: 大正関東地震(1923年)で甚大な被害。

  • 地殻変動: 2000?3000年周期の大きな隆起。直近は約300年前の元禄関東地震。

  • 現在の状況: 次の発生は考えにくい。

4. 防災・減災対策の対象とする地震

  • 対象地震: 切迫性の高いM7クラスの首都直下地震。特に都区部直下の都心南部直下地震を設定。

  • 長期的対策: 相模トラフ沿いのM8クラスの大正関東地震タイプを考慮。

  • 広域対策: M7クラスの地震はどこで起きるか不明なため、全地域での耐震化が必要。

5. 防災・減災対策の対象とする津波

  • 対象地震: 延宝房総沖地震(1677年)、元禄関東地震(1703年)、大正関東地震(1923年)。

  • 津波の高さ: 太平洋岸では10mを超す高さ、東京湾内では3m程度。

  • 対策の観点: 太平洋側と東京湾内を区分し、危険性に則した対策を実施。

  • 大正関東地震タイプの津波: 神奈川県と千葉県の海岸周辺に震度6強以上の揺れ、津波の高さは6?8m。迅速な避難対策が必要。

  • 延宝房総沖地震タイプの津波: 房総半島から茨城県、伊豆諸島に6?8m、高いところで10m程度の津波が予想。津波避難対策が必要。

  • 相模トラフ沿いの地震: 更なる調査が必要。房総半島南端地域では10m程度の津波が想定されるため、津波避難対策を検討。

第2章 被害想定(人的・物的被害)の概要

1. 概要

  • 被害想定の対象:

    • マグニチュード7クラスの都区部直下の地震

    • マグニチュード8クラスの大正関東地震クラスの地震

  • 注釈: 数値は震源断層域の違いによって異なる可能性があるため、概ねの最大被害ケースを示す。

2. 被害想定の目的

  • 応急対策や企業活動等の検討: より現実的な状況を想定し、対応の困難性を明確化

  • 具体的な防災・減災対策: 行政、施設管理者、民間企業、地域、居住者などが活用

3. 人的・物的被害

膨大な建物被害と人的被害

  • 全壊家屋: 約175,000棟

  • 建物倒壊による死者: 最大 約11,000人

  • 要救助者: 最大 約72,000人

市街地火災の多発と延焼

  • 焼失棟数: 最大 約412,000棟

  • 火災による死者: 最大 約16,000人

4. ライフライン被害

電力

  • 停電: 広域で発生、供給能力が5割程度に低下

  • 非常用発電設備: 燃料の枯渇が懸念される

通信

  • 固定電話: 通話規制、復旧には1週間以上

  • 携帯電話: 通信規制、停波による利用制限

  • インターネット: 1割程度の地域で利用不可

上水道・下水道

  • 断水: 約5割の利用者で発生

  • 復旧期間: 数週間~1か月以上

ガス

  • 供給停止: 各家庭で自動停止、復旧に1か月以上

5. 交通施設の被害

道路

  • 首都高速道路: 被害限定的、復旧に1~2日

  • 一般道: 渋滞や瓦礫による閉塞、復旧に1か月以上

鉄道

  • 地下鉄: 復旧に1週間程度

  • JR在来線・私鉄: 復旧に1か月程度

空港・港湾

  • 羽田空港: 滑走路2本が液状化の可能性、アクセス困難

  • 港湾: 非耐震岸壁で陥没や沈下が発生

6. その他の被害

燃料

  • 製油所: 点検と被災のため精製停止

  • 供給困難: 激しい交通渋滞やドライバー不足

コンビナートの被災

  • 火災・危険物質の拡散: 油の流出による汚染、危険物質の拡散

放送

  • テレビ・ラジオ: 複数回線で情報発信を継続、停電時は携帯ラジオやカーラジオによる受信

第3章 社会・経済への影響と課題 - サマリー

第1節 首都中枢機能への影響

概要

東京には日本の政治、行政、経済の中枢機関が集積しており、首都直下地震によりこれらの機能に障害が生じた場合、国民生活や経済活動、さらに海外にも影響が及ぶ可能性があります。

政府機関等への影響

  • 業務継続への障害:交通機関の停止による職員の不足が最も大きな障害です。

  • 建物の耐震化:官公庁施設の耐震化は進んでおり、大きな建物損傷は少ないが、設備やデータの復旧には時間がかかる。

  • ライフラインの復旧:電力、通信、水道などは優先的に復旧されるが、資機材の調達に時間がかかる可能性があります。

経済中枢機能への影響

  • 資金決済機能:日本銀行の金融ネットワークシステムや全国銀行データ通信システムは高い耐震性を持ち、迅速に復旧が可能です。

  • 証券決済機能:東京証券取引所や日本証券クリアリング機構などのシステムも高い耐震性と迅速なバックアップ体制が整っており、短期間での取引再開が可能です。

  • 企業活動

    • 本社系機能:リスクマネジメントや非常用電源の確保は進んでいるが、通信手段の途絶やデータ損傷に脆弱性がある。

    • 卸売・小売業:耐震化が不十分な場合が多く、地震による建物倒壊や火災のリスクがあります。

    • サプライチェーンの寸断:素材産業の被災や港湾機能の麻痺により、全国および海外への影響が大きいです。

    • 二次的波及効果:生産活動の低下や労働力不足が続くと、企業倒産や国際競争力の低下が懸念されます。

第2節 巨大過密都市を襲う被害の様相と課題

道路交通麻痺

  • 交通麻痺の原因:沿道建物からの瓦礫、電柱の倒壊、信号の停止、火災、鉄道停止による交通需要増大など。

  • 影響:消火活動や救命・救助活動、ライフラインの復旧、物資輸送に著しい支障が生じます。

  • 緊急対応の困難性:交通渋滞や瓦礫、放置車両により、緊急車両や作業車両の移動が困難となり、復旧作業が遅延します。

課題

  • 緊急交通路の確保:早期に緊急交通路を確保することが困難となり、物資輸送やライフラインの復旧作業の遅延が予想されます。

  • 交通整理の限界:警察官の人員不足により、深刻な渋滞が発生し、消防車両や救命・救急車両の現場到達が困難となる可能性があります。

  • 帰宅者の混乱:外出者が一斉に帰宅を始めると、歩行者が車道に溢れ、さらに混乱が激化する可能性があります。

このサマリーは、首都直下地震の影響と課題を主要な項目に分け、分かりやすくまとめたものです。

第2節 膨大な数の避難者・被災者の発生

(1)同時多発の市街地火災による焼死者の発生

  • 木造住宅密集市街地で大規模な延焼が予想される。

  • 複数の地点で同時に火災が発生し、逃げ遅れることで大量の焼死者が出る恐れがある。

(2)救急・救命活動と災害時医療

  • 深刻な道路交通麻痺により、救急車の現場到達が困難。

  • 多数の負傷者に対して、医師や医薬品が不足し、十分な診療ができない可能性。

  • 被災地外からのDMAT応援派遣の調整が遅れる。

  • 停電による照明不足で、現場対応が難航。

(3)避難所等の不足

  • 大規模な火災やライフラインの途絶により、避難所に多くの人が集まる。

  • 鉄道の運行停止に伴い、多くの帰宅困難者が発生。

  • 収容能力を超える避難所が出現し、公園や空地に多くの人々が滞留。

  • 昼間に地震が発生した場合、保護者が帰宅困難となり、学校に児童が滞留することになる。

3.物流機能の低下による物資不足

  • 在庫の即時消失: 発災直後に、被災地域のコンビニや小売店舗の在庫が数時間で売り切れる。

  • 全国的な物資不足: 被災地以外でも生活物資の買い付けが起こり、全国で物資不足が発生。

  • 道路の被災と渋滞: 道路の被災と深刻な交通渋滞により、避難所への支援物資や生活物資の搬入が滞り、物資不足が続く可能性。

  • 燃料不足: ガソリンなどの燃料の買い付けが起こり、タンクローリーの不足や渋滞で燃料の確保が難航。

  • 物流業の影響: 首都圏を主要マーケットとする業界は、域内交通寸断の影響を大きく受ける。

  • 港湾機能の低下: 東京湾の港湾施設の被災により、海上輸送量が減少し、原料輸入や食料品、生活用品の物資不足が続く。

4.電力供給の不安定化

  • 発電所の停止: 震度6弱以上の地域では火力発電所が停止し、電力供給能力が5割程度に低下。

  • 計画停電の可能性: 需要が回復すると計画停電が必要となり、電力供給が不安定化。

  • 電力の重要性: 電力の不安定化は通信、上下水道、鉄道運行、情報処理など多様な都市活動に影響。

  • 非常用発電の限界: 公的機関や民間の重要施設は非常用発電設備を備えているが、燃料備蓄が限られているため、長期停電では非常用電力が確保できない可能性。

5.情報の混乱

  • 通信の輻輳: 固定電話や携帯電話で大量アクセスによる輻輳が生じ、音声通話の規制やメールの遅配が発生。

  • インターネット利用: 一部で通信ができなくなるが、基本的には利用可能。ただし、停電対策が不十分な場合はサービス継続が困難に。

  • 情報収集・伝達の低下: 区役所や市役所の機能低下により、被災状況の把握や情報伝達が遅れる。

  • 大規模被災地域の支援: 国と東京都及び周辺県市の間で情報の流通が遅れる可能性。

  • 全容把握の遅れ: 住宅の倒壊や火災状況の全容把握には時間がかかる。

  • 道路被災状況の確認: ヘリコプターや自転車、徒歩での確認に時間がかかる。

  • 水道・下水道の被災把握: 道路啓開の後、順次進めるため、特定には日数がかかる。

  • 電気・ガス・通信の把握: 自動検知システムにより早期に被災箇所や影響範囲を把握可能。

  • 外国語情報の不足: 被災情報や避難情報の提供が少なく、外国人に混乱が生じる。

  • デマの拡散: 初期段階で危機感を助長する映像やデマが流布する恐れ。

6.復旧・復興のための土地不足

  • 道路啓開の困難: 首都直下地震では、東日本大震災と比較して道路啓開が困難であり、瓦礫や放置車両のための空地が不足しており、復旧作業に大幅な遅延が生じるおそれがある。

  • 応急仮設住宅の不足: 倒壊や火災により多くの被災者が家屋を失い、応急仮設住宅が必要だが、適切な用地が不足している。

  • 災害廃棄物の処理困難: 建物の倒壊により大量の災害廃棄物が発生するが、その処理のための適切な用地が不足しており、域外搬出でも交通渋滞の影響を受ける。

  • 新たな街づくりの遅延: 復興事業としての新たな街づくりには十分な用地が必要だが、用地確保に時間がかかるため、事業推進に遅れが生じる可能性がある。

第4章「対策の方向性と各人の取組」の第1節では、首都直下地震に対する対策の方向性と具体的な施策について述べられています。

第1節 対策の方向性

  1. 事前防災

    • 首都中枢機能の継続性の確保

      • 政府全体の業務継続体制の構築

      • 各府省庁の業務継続計画の策定と見直し

      • 業務継続のための執行体制や執務環境の整備

    • 情報収集・発信体制の強化

      • 災害対策本部となる広域防災拠点の強化

      • 情報発信の一元化と共有の促進

    • 金融決済機能等の継続性の確保

      • 金融システムの業務継続体制の強化

      • 企業の事業継続計画の推進とサプライチェーンの安定化

  2. 建築物、施設の耐震化等の推進

    • 建築物の耐震化の促進とメンテナンスの重要性

    • 公共施設や重要施設の耐震化と安全対策の推進

    • 交通インフラやライフラインの耐震化対策の推進

  3. 火災対策

    • 出火防止対策と延焼被害の抑制策の強化

    • 火災発生時の初期消火能力向上と防火インフラの整備

まとめ

この章では、首都直下地震に備えた事前の防災策や対応策が、政府、企業、そして一般市民によってどのように取り組まれるべきかが詳細に記述されています。業務継続の確保や情報管理の強化、建築物の耐震化、火災対策などが重要な観点として挙げられ、それぞれの分野での具体的な施策が示されています。

発災時の対応策について、以下の重要なポイントが挙げられています:

  1. 災害緊急事態の布告

    • 地震などの重大災害発生時、国の存亡に関わる緊急事態を宣言し、迅速な対応を行う。

    • 制度や手続きを事前に整備し、法定措置を効果的に講じるための準備を整えることが重要。

  2. 情報発信と広報計画

    • 政府は災害発生後、国内外に対して正確な情報を迅速に伝える体制を整える。

    • 国家機能の健全性を示し、市場や国内外の信頼を維持するための広報戦略を策定・実施する。

  3. 災害応急対策実施体制の構築

    • 災害発生時の即応体制を整える。情報把握、道路の開放、交通制御、消火活動などを円滑に行うための計画を立てる。

    • 首都直下地震などの大規模災害に対する統一的な対応力を向上させるための標準化を推進する。

  4. 企業の事業継続計画(BCP)

    • 大規模地震が発生した場合、企業は事業の継続性を確保するための計画(BCP)を策定・見直す。

    • ライフラインや交通網の被災・復旧状況を考慮した、実効性の高い対応策を準備する。

  5. 首都高速道路の活用

    • 首都直下地震後、首都高速道路を緊急通行車両などの移動に利用する。

    • 被災地域の交通負荷を軽減し、救命救助や物資輸送などの優先的な活動に最適な道路誘導策を検討する。

これらの対応策は、災害発生時の迅速な対応と、その後の復旧・安全確保に向けた具体的な計画を立てるための基本的な枠組みを提供しています。

発災からの初期対応(概ね100時間)- 命を救う

  1. 救命救助活動

    • 課題と対応:

      • 被災地内の多数の負傷者と脱出困難者: 地域内の建設機械の活用や救援要員の育成を強化し、救助・救命活動の迅速化を図る。

      • 救助部隊の限られた投入能力: 警察、消防、自衛隊などの連携強化と、ヘリコプターなどの運用最大化に向けた組織間調整の構築が重要。

  2. 災害時医療

    • 対応策:

      • 大量の重傷者への対応: 地域医療者の協力と地域レベルでの対応策を整備。医療機関間の協力強化や医薬品の備蓄などが重要。

      • 搬送体制: 救急車や民間資源を活用した搬送方法の検討。

  3. 火災対策

    • 初期消火と情報提供:

      • 初期消火の重要性: 出火初期に効果的な対応が必要であり、適切な行動指針の設定が必要。

      • 情報伝達: 暗視システムやスマートフォンを活用した延焼状況の情報提供が重要。

  4. 治安対策

    • 警備体制の強化:

      • 秩序維持のための対策: 災害時における警備体制の充実と、地域社会との連携を強化。

  5. 「デマ」対策

    • 情報の信頼性確保:

      • デマ拡散の防止: 社会不安を招くデマ情報の速やかな検知と打ち消し情報の発信体制の整備。

各項目ごとに、被災地域での初動対応の重要性や具体的な対策が述べられています。

初期対応後の生存者の生活確保と復旧に関する主要な項目をサマライズします。

  1. 被災者、災害時要配慮者への対応

    • 避難所運営の重要性: 避難所での生活支援が重要であり、地域主体による運営体制の整備が必要です。

    • 物資の供給と管理: 食料、水、医療、日常用品の供給を確保し、被災者の健康管理を行う必要があります。

  2. 避難所不足等の対策

    • 避難所の改善と確保: 耐震化、トイレの整備、生活必需品の備蓄を進め、避難所の不足を解消するための施策が必要です。

    • 帰宅困難者の支援: 見なし仮設住宅や遠地避難の支援体制を整備し、被災者の生活再建を支援することが求められます。

  3. 計画停電の混乱の回避

    • 優先的な施設への電力供給: 医療施設や通信基盤などに対して、計画停電時の優先的な電力供給体制を確立する必要があります。

  4. 物流機能低下対策

    • 生活必需品の供給確保: 交通渋滞対策や物資の備蓄、配送ルートの確保を行い、被災地域への物資供給をスムーズに行う体制を整える必要があります。

    • 水上輸送ネットワークの活用: 河川舟運や東京湾内の航路を活用し、緊急物資の輸送を確保することが重要です。

これらの施策を進めることで、災害後の混乱を最小限に抑え、被災者の生活を早期に安定させることが目指されます。

⑤ ガソリン等の供給対策

  1. 製油所の生産・入出荷機能

    • 製油所では、地震や液状化に備えて設備の安全停止対策を講じる。

    • 専用バースの耐性を強化し、入出荷バックアップ能力を増強する。

    • 非常用発電設備を充実させ、製品の安定供給を確保する。

  2. 燃料供給の確保

    • ガソリンや軽油の供給には、油槽所からの確実な配送を保証する必要がある。

    • 会社間の連携を促進し、発災直後からの緊急輸送を簡素化し、規制を緩和する準備を進める。

    • 緊急交通路の整備やタンクローリーの通行確保に向けた防災計画の策定を進める。

  3. 備蓄と施設準備

    • 災害用バルクの設置を含む、需要家側の備蓄の重要性を認識する。

    • 非常用発電設備に使用する重油・軽油の供給量を事前に調整し、供給の優先度を設定する。

  4. 重要施設の共有と保護対策

    • 電気、ガス、水道、通信などのライフライン施設の情報を自治体と共有し、迅速な燃料供給を確保する。

    • ガソリンスタンドでの非常用電源や給油設備の整備を推進する。

⑥ 円滑な復旧・復興に向けた備え

  1. インフラと施設の確保

    • 瓦礫や放置車両の仮置き場、災害廃棄物の処理場、仮設住宅の用地など、復旧に必要な施設を確保する。

    • 広域的な処理体制を確保するため、事前計画を策定し、資機材の集積や支援部隊の活動拠点を準備する。

  2. 鉄道施設の復旧

    • 各路線の被災状況や復旧の見込みを勘案し、全体的な復旧作業と運行再開のための戦略を検討する。

  3. コミュニティの課題と対応策

    • 首都地域の多様なコミュニティでの合意形成の困難性を考慮し、災害時のコミュニティ活動を強化する取り組みを推進する。

  4. 土地関連の調整

    • 地籍整理や権利関係の複雑さに備え、地域ごとの災害危険性の高い地域での情報整備を進め、安全な復興を促進する。

  5. 中小企業の支援

    • 中小企業の事業継続計画や復興支援策を検討し、地域経済の復興を支える取り組みを強化する。

これらの施策は、災害時の円滑な対応と持続可能な復興を目指すための重要な方針です。

首都での生活における災害対応についての要点は以下の通りです:

  1. 首都の特性と被災時の影響

    • 首都地域は人口・物流が高密度に集中しており、災害時にはその均衡が崩れ、二次的被害が拡大する可能性が高い。

    • 中枢機能の支障は国内外にも波及し、影響が深刻化する。

  2. 個人と企業の対応策

    • 被災時は、一人一人の備えと行動が大きな影響を与える。特に、家族や企業は、事前に被害想定と対応策を共有し、迅速かつ迅速に対応する必要がある。

  3. 地震対策の重要性

    • 首都直下地震に備えて、揺れから身を守るための対策が必要。特に乳幼児や要介護者など、災害時要配慮者の支援が必要。

    • 建物の損傷を最小限に抑え、生活物資を備蓄することが重要。

  4. 市街地火災への対応

    • 大規模地震後の市街地火災に備えて、初期消火と迅速な避難行動が不可欠。避難場所の選択や避難経路の確保が重要。

  5. 交通渋滞と自動車利用の自粛

    • 地震後の交通渋滞は救助活動や生活物資の確保に影響を与えるため、自動車利用の自粛が求められる。

    • 物流機能の確保を最優先し、道路交通機能を適切に分配することが重要。

  6. 企業活動の維持

    • 鉄道や交通機能の制限に備え、通勤困難を想定した業務継続計画(BCP)の策定が必要。通勤の分散化や自宅勤務の導入が重要。

これらの対策を個人や企業が共有し、実行することで、首都直下地震に対する強靭な災害対応力を確保することが期待されています。

第5章 過酷事象等への対応

第1節 首都直下のM7クラスの地震における過酷事象への対応

  • 海岸保全施設等の沈下・損壊

    • 概要: 東京湾沿岸の海岸保全施設は震度6強以上の揺れで沈下・損壊する可能性があり、海抜ゼロメートル地帯では浸水のリスクが高まる。

    • 対策: 耐震性や老朽化の調査と改善が必要。水門や陸閘の管理体制も強化し、地下利用者の避難対策も必要。

  • 局所的な地盤変位による交通施設の被災

    • 概要: 鉄道や道路の高架部落下や地盤変位により通行不能が発生し、復旧には長期間を要する。

    • 対策: 緊急輸送路線の設定や復旧計画の確立が必要。

  • 東京湾内の火力発電所の大規模な被災

    • 概要: 火力発電所の被災で電力供給が逼迫し、節電や計画停電が必要になる可能性がある。

    • 対策: 施設の復旧計画と電力需要管理策の強化が重要。

  • コンビナート等における大規模な災害の発生

    • 概要: 石油コンビナートなどでの災害拡大が想定され、地域の避難や交通制限が発生する。

    • 対策: 事業所と行政の防災体制を強化し、特殊災害への即応体制を整備する。

第2節 大正関東地震タイプの地震への対応

  • 津波対策

    • 概要: 神奈川県や千葉県の房総半島で津波が発生するリスクがあり、避難が極めて困難な状況が想定される。

    • 対策: 高台への施設移転や避難場所の整備、地域コミュニティとの対話を通じた対策の実施が重要。

  • 建物等被害対策

    • 概要: M7クラスの地震に備えて構造物の耐震化と火災対策の強化が必要。

    • 対策: 耐震化の推進と延焼に強い街づくりの進展が不可欠。

  • 新幹線、東名高速道路

    • 概要: 新幹線や東名高速道路が被災し、「東西分断」が発生するリスクがある。

    • 対策: リニア新幹線の整備や代替交通網の構築が必要。

  • 長周期地震動対策

    • 概要: 高層ビルなどの共振リスクがあり、長周期地震動への対策が求められる。

    • 対策: 建物の耐震設計技術の開発が重要。

第3節 延宝房総沖地震タイプの地震等への対応

  • 津波避難対策

    • 概要: 房総半島での大規模津波の可能性があり、津波避難計画の策定が必要。

    • 対策: 南東沖地域での避難計画の整備が重要。

これらの対応策は、それぞれの地震タイプやリスクに応じて、事前の計画立案と地域住民との連携が不可欠です。

おわりに

この報告書では、首都直下地震に焦点を当て、これまで議論されてこなかった課題や特に困難な点についてまとめています。防災教育の推進、防災意識の向上、地域の防災力強化、被災者支援など、これまで実施されてきた対策の中で取り上げられていない分野もありますが、これらは引き続き推進されるべきです。

被害想定では、対象とした規模の地震が発生した場合、現行の枠組みでは対応が困難な事象が生じる可能性があります。報告書では対策の方向性を示していますが、実施には多くの課題があります。政府が中心となり具体的な対策を検討し、地方自治体や企業、住民が連携して実行されることが期待されます。

被害想定では、建物や人的被害など様々な被害について試算されていますが、対策が講じられれば被害を大幅に減少させることが可能です。地震に対しては正しい恐れと準備が重要であり、万が一の際にも冷静に行動することで混乱を避けることができます。

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