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祭りの魅力。

人口6,000人を切る、四国の港町に
移住して約3年。

年に一回、八幡神社の秋季例大祭で
ちょうさという、太鼓屋台が街を練り歩き、
海に飛び込んで行くお祭りが行われます。



太鼓とその四方を囲む打ち子をのせ、
約1トンにもなるちょうさを
おおよそ、50人〜80人の男性で持ち上げる
この祭り、神社を囲む半径三キロ圏内の
地域で、8町の町内会があり、それぞれ
一期ずつ、ちょうさを持っているので
総勢8期が町を練り歩き、海へ飛びこむ、
迫力ある祭りです。

基本的には、男の人しか祭りに関わることが
できない仕組みになっています。
※最近では、人口減少に高齢化も伴い
祭りの在り方も今の状況に合わせたものに
なっています。

今回私は、当屋(とうや)さん
という、ちょうさをかく方への
ご飯や飲み物を準備したり、祭りに関する
お世話をする役割としてお祭りに参加しました。

町内会ごとにルールや回ってくる
頻度が異なります。

町民館に夜な夜な集まって
祭りの段取りと、何を準備するべきか
リーダーを筆頭に話し合いの場が
もたれました。

私は、主に、
まちまわり
と本祭りの
ちょうさが稼働する2日間の飲食や
かきてのお世話をメインに参加しました。

まちまわり当日
朝4時から、4升のお米を
おにぎりにしました。

かきての疲労や、気持ちを
少しでも回復させるために、色んな工夫がありました。一口で食べやすいサイズ、包装に
スルッと飲み込みやすいものなど、

かきての口に入る直前まで、作業を徹底しました。

そして、昼頃の
ちょうさの出発を見送り、
各休憩場所と時間を連携をとって
随行しました。

まちまわり出発前

約6時間、日が落ちるまで
まちを練り歩き、最後、神社に帰ってくる
まで、休憩時間や進行速度に振り回されなかまらも、かきての様子を伺い、サポートに
徹しました。

「さーせーさーせー」
という掛け声とともに
ちょうさがさしあげられるのが
とてもかっこいいんです。

怪我人なく、無事にまちまわりを終え、
早速次の日の本祭りの準備にとりかかります。

本祭りの日は海に入っていくのですが、
あいにくの天候で、かなり気温も低く
海から上がった後のかき手の体力が
がっつり奪われていく可能性がありました。

臨機応変に、お湯を沸かしたり
熱燗やおでん、味噌汁を準備し
浜と町民館を何度も行き来しました。

朝からはじまり、
夕方まで、
かき手と二人三脚で、
なんとか無事に祭りを終えました。

祭りが終わり、当屋も解散となる時に、
もう、終わってしまうな。。という
寂しさが、込み上げてきました。

私たちの町は4年に一回
この当屋という、役割がまわってきます。

みんなで、苦労と栄誉を讃えあい、
抱き合って、

「また、4年後なー!」

と手を振って解散しました。

急な無茶なお願いや、
想定外のことが起きたり、
本当に難しいこともたくさんありましたが、

それでも、
「うちのちょうさが一番かっこいい」
と、熱狂できる。

熱く、不思議な体験をさせて頂きました。

打ち上げの様子

みんなが熱狂する祭りに
一員として、関われたことで、
町の人との心の距離がグンと近づきました。

打ち上げの頃には、かほちゃん!と
呼んでくれるようになり

町ですれ違っても
手を振ってくれる人が格段に増えました。


そして、何より私の
町に対する愛着や思い入れも
強くなりました。

老若男女、問わず
全員が参加するこの祭りが町にとって、
人と人の心をつなげる、
貴重な場所になっていました。

それは、私のような移住者と、
地元の方との間を繋ぐこともそうですし、

普段は関わりのない、
人どうし、子どもとおじさんたち
年齢のギャップもフラットになる、

そんな側面もあります。


伝統や文化の継承はもちろん、
町全体のコミュニティを強くする、
人の心を熱くする、いろんなものが錯綜している
場に立ち会えたこと

地域の祭りを愛する
というこが、体感できた感慨深い経験になりました。

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