スッパニパータ 〜ブッダの言葉〜

書籍紹介

スッパニパータ〜ブッダの言葉〜 今枝由郎訳 2022年 (株)光文社

ゴータマ・シッダールダの教え

ゴータマ・シッダールタの生涯

ゴータマ・シッダールタは紀元前5世紀ごろ、インド北部のシャーキャ王国に王子として生まれた。
29歳で王宮を離れ、6年の修行・思索を経て35歳で「目覚めた人」、ブッダとなった。目覚めた人となった後、ガンジス川中流域の各地を旅して人々に自らが見出した「真理」を80歳で亡くなるまで人々に説いてまわった。

スッパニパータ

紀元前5世紀ごろは口伝により教えが広まっていたが、紀元前後くらいに文字としてブッダの教えがまとめられていった。もっとも初期に成立したとされる仏典が「ダンマパタ(法句経)」と「スッパニパータ(経集)」である。

今までの仏典

今までの仏典は漢字も仏教用語も多く、とにかくとっつきにくい。1偈(偈は詩句の単位のこと。日本語訳にすると2行から3行くらいの短い句)読むのもひと苦労だった。
元気がないから仏典でも読むかなーという軽い気持ちで読み出すと小難しい仏教用語と難解な言い回しで初めの2、3ページも読むと気がさらに滅入ってしまうというものであった。到底、しんどい時の薬となるようなものではなかった。どちらかというと元気で快活な賢い人しか読めないような代物であった。才気煥発な人にはスッパニパータなどの宗教的な救いは一番不必要なものだろうと長い事思っていた。
従来の仏典で記憶に残るのは1ページ目の「犀の角のように一人で進め」と「あの筏の例のように」というものだけであった。3ページしか読んでないから中身に辿り着けずに終わってしまっていた。

厳密な翻訳から本質を伝えることに軸をおいた本著 スッパニパータ〜ブッダの言葉〜

読める。読めるぞ。
今まで何度挫折しただろう。辛く長く永遠に続くかと思っていた「蛇」と「犀」の章があっという間に終わってしまった。
平易な言葉で書かれ、文章量も多くないので3日位で読了できる。今までの苦労はなんだったのか。是非、仏典に何度も挫折している方やとっつきにくいイメージを抱いている方々に読んでいただきたい一冊である。





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