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トロピカル~ジュ!プリキュア感謝祭の感想レポ


トロプリを見終えて

トロピカル~ジュ!プリキュアが最終回を迎えてしまった。とてもつらい。

トロプリを見始めた理由の半分ぐらいは冗談で、もう半分は一話のクオリティーが半端なく高かったから。一年を通して波はあったけど、トータルで見るとほんとによくできた作品でした。大好き。

一年モノの作品はちゃんと見たのは初めてだった分、キャラが一歩を踏み出し大人へと成長していく過程を直に感じ取ることができた。ネットで見た「一年通しの作品なのに尺が足りなかった」という感想、まったくもってそのとおり!共感しかない。もっと見せて。

アニメであすか先輩の卒業の話が出たときからうっすらと最終回が見え始めて、最終決戦が終わり次回、最終回!信じられない!嫌だ!終わってほしくない!そうだ、最終回を見なければまなつたちの物語は終わらない…!でも今一番大切なのはローラの未来を応援すること。そのためには最終回は後回しにはできない…。見たくないけど、見なきゃいけないんだ…。うわああああああああああああ!

…………視聴。最終回は本当に素晴らしかった…!後回しにしなくてよかったし、結末を見届けて、ぐちゃぐちゃに泣いて、その感動以上の喪失感が俺を塗りつぶしてきた。一年間ありがとうとか言わないでくれよほんとに。

トロピカル部、そしてまなつたちが一年かけて成長していくたびに、自分が想像している以上に俺の心のスペースを占領していて、まなつのありがとうはさようならにしか聞こえなかった。


そんな空虚な心にトロピカ成分を分け与えてくれるモノはないのだろうか…?あったよ!感謝祭!そんなわけで行きました、感謝祭。

でも、感謝祭に対して不安や心配も感じていた。いや一回プリキュアのライブ見に行ったからわかるけど、当然、内容でがっかりすることはないとは確信していた。問題は、自分が本気で楽しめるのか?そして、­­声優さんのライブでもあるから、自分にとってのトロプリの区切りとして機能することができるのか?ということ。2月19日、私は杞憂であることを祈り、モヤモヤを抱えながら八王子に向かったのであった。

注)ここからは感謝祭のネタバレも存分に含まれます。アーカイブ期間も終わっているしいいよね?話しても。と、いうわけで感謝祭の感想始まります。


キャラクターショーの感想

ハイ!よかったです!素晴らしかったです!満足しました!最高のおまけって感じで見たいもの全部見せてもらいましたよ!俺は!

今更だけど、トロプリって日常を大切にしている作品なんです。プリキュアは5人を繋げるきっかけではあるけど、5人の成長のきっかけにはなっていない。トロピカル部の一員として過ごす日常こそが、まなつたちそれぞれが後回しにしていたトラウマや気持ちに対し、一歩踏み出す勇気を与えていた。むしろプリキュアとしての活動は彼女たちの日常の中の一つ。プリキュア自体のテーマ(だったはず)である日常を守るために戦うということが存分にわかるのがこのトロプリという作品といえる。

だからこそ、思い返してみるとプリキュアであるときに濃い絡みはなかったなあって。コーラルがラメールを庇うとかそういう細かなシーンはいっぱいあれど、とどめの必殺技は5人で打つ仕様上、二人でコンビを組み敵を倒すとかそういう話はなかったんです。一応言っておくけどこれがトロプリの欠点とかじゃないからね。特に不満にも疑問に思ったこともないし。

なぜこんなことを思い返したのか?キャラクターショーでこのシーンが挟まれたからに決まってるからじゃあないですか!交代交代でコンビを組んでヤラネーダを倒すっていうシーンがあったんですよ!サマーへの攻撃を防いで息の合ったコンビネーションを見せるコーラル、パパイヤの太陽拳が失敗しても後で練習に付き合ってやると言ってくれるフラミンゴ、口では言い争っているけど本心では信頼し合っているフラミンゴとラメール等々。これが質の高いアクションシーンと一緒に来て、アニメでは見ることのなかった展開を次々に見せられて、俺はとっっっっっっても興奮した。逆にこういう展開がアニメにないことに気づかされて俺は驚きましたね。


ここ以外もキャラショーは最高だったなあ。ハウジングセンターの営業のショーからプリキュアドリームショーまでいろいろ見てきたけど質と熱量が上がっているのがわかる。ドリームショーと比べると話してないキャラのイチャイチャが少なかったけど(見たのが最後の方の公演だったからアドリブかも)ストーリーもアクションも今までで一番最高。

プリキュアがんばえ~的なメタい応援もあるけど、周りも大人のファンばっかりだからちゃんと熱くなれる。アウェー感を感じないから仲間ってホント大切。

あと、“CLAP!~勇気を鳴らせ~”が終盤に流れるけど、作詞作曲した人は天才。さあ、反撃!というイメージ通りで、テンションもボルテージもすぐにマックスにしてくれる神曲。残念なのはアニメ本編で聞けなかったことだけ。

ストーリーはシュールギャグ多めのくせして滑ってない。すごくないかこれ?脚本家のバランス感覚すぐれすぎてね。これは本編がしっかりしているから+ギャグをしてもいい下地が一年で出来上がってるおかげ。この緩急こそがトロプリって感じ。あとから知ったけど、脚本担当がシリーズ構成している横谷さんで納得しまくった。安心して見れるわけだ。


声優に対しての想い

ここでキャラショーは終わって次は声優の時間。正直ここが楽しめるかそうでないかで感謝祭後の気持ちも大きく変化すると思っていた。だって、声優は声優なのであって、まなつたちではないわけだし。本当に失礼な言い方だけど、歌だけ歌ってちょこっとしゃべるだけでいいから、あんまでしゃばらないでくれって少し感じてた。でも、俺は楽しむために、楽しませてくれる場所に金払ってきてんだ。なら、この感情は忘れる方が得だよなぁ!

まず、声優同士での感謝の手紙から始まった。お互いの仲いいこととか、尊敬も合っていることとか、そういうことを話していた。こんな風に仲が良くてプリキュアへの愛があるからこそ、キャラに息が吹き込まれてトロプリは成立しているんだなって。感謝の時間が結構長いから、こんなことをぼんやり考えていた。


俺は声優のターンになるまで、この感謝祭が声優のライブになることを恐れ、トロプリのライブとして見れなくなることを怖がっていた。

「トロピカってる~!」っていう口癖に違和感がなくなっていったのも、一年間かけて彼女の世界観ができて、存在を、魂をはっきりとそこに感じられるようになったから。

まなつたちはあおぞら市で生活していて、今を全力で生きている。そのことはだれの目にも明らかなわけで。でも、しかし、演じられてそこにいる“キャラクター”ということも明らか。そのことは当然知っているけれど、自分の中では生きていてほしかった。もう、ここまで来たとしても、目を覚ましたくはなかった。

声優が前に出てくるということは、まなつたちは作られたもので魂は存在しないと宣言されるようなもの。ここまでごちゃごちゃ言うなら見に行くなと思うかもしれませんけど、好きすぎておかしくなってました。ごめんなさい。


だけど、そんな大好きなまなつたちの息遣いはトロプリを見なければ知ることすらできない。じゃあ誰が見させてくれたの?当然、声優を含めた作品の裏側にいる人たちのおかげ。

声優はアニメ制作の中で一番キラキラしている裏側の仕事。だから、このステージの真ん中に立っている。けれど、このステージの地続きに、たくさんのトロプリを作ってきた人たちがいる。この一年間の作品を作るために何年もの時間をかけて努力してきた人たちがいる。ファイルーズあいさんたちはたくさんの想いを背負ってここに立っている。とても重要なことなのに、ここに来るまで感じられなかったこと、気づけなかったこと。

 作品は人に見られることで完成される。過言すぎるけど、俺たちトロプリのファンも見るという行為を通じてトロプリに関わってきた。つまり、その点では声優、ひいては監督、プロデューサーらと一緒。大きな括りで言えば、俺たちは一番最後の関係者ということになる。声優を否定するということは自分たちの否定にもなるのだ。


声優、アニメーター、脚本、ファン、もちろんまなつたち、その他もろもろ全部合わせてトロプリなんだと感謝祭を通じて理解していった。そこに本物の魂はないかもしれないけど、想いや情熱が集まってできた魂はそこにある。むしろ、人の心を揺すぶれるから本物といっても差し支えないんじゃないかな。

結論!俺は間違っていた!これは声優のライブなんかじゃあない。トロプリの表も裏もごちゃまぜのお祭り!ここは俺たちファンもトロプリの輪の中に入れる最後にふさわしい場所なんだ!手のひら返すよう悪いんですけど、トロプリの声優さんたちみんな大好きです!


一年分の感謝

ステージで声優さんは作品、そして、ここまで来てくれたファンの人たちへありがとうとお礼を何度も言っていた。ならば、こちらも声優、そしてトロプリを作り上げてくれた人たち、もちろんトロピカル~ジュ!プリキュアにもありがとうと伝えたい。そう!ここは“感謝”祭なんだから!

コロナが憎い。ありがとうと声に出して伝えたかった。ステージの向こう側からしかありがとうが言えないなんてズルいじゃないか。ライブの後半はずっとありがとうと想っていた。この気持ちが届いてほしい。

一年間ありがとう。本当にありがとう。こんなにも素晴らしい作品と経験をありがとう。このことは忘れたくない、忘れられない。俺たちには記憶吸出しマシーンは効かねえ!俺はトロプリのことを一生覚えているんだ!

俺は最終回でまなつの「ありがとう」をひねくれた捉え方をし、そこへの想いを後回しにしてきてしまった。その返事を今なら答えられる!無論、その答えは一つ!ありがとう!ありがとう!今!一番やりたいことは!ありがとうと言うこと!ありがとう!ありがとう!本当にありがとう!一年間ありがとう!一年間楽しい思い出を増やし続けてくれたトロピカル~ジュ!プリキュア!ありがとう!またどこかで!






 

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