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HYBEオタクのThe Name Chapter: FREEFALL雑感①

10/13にリリースされた、約2年半振りのフルアルバムThe Name Chapter: FREEFALLを聴いた感想を軽く残しておこうと思います。

まず、全体的な感想としては①メンバーの言う通りTXT史上過去最高の作品だった、②既存のkpopの価値観とはより距離が遠くなっている、③Slow Rabbit PDの不在を感じる(良くも悪くも)、の3つあります。

①TXT史上過去最高の作品だった、について、メンバーが発売前から期待値を上げてきたこと、アルバムプレビューがとても良かったことから良くないと思いつつも期待値がとても高かったです。そして、想像以上に私が見たいTXTの姿を見せてくれたので、久しぶりに聴きながら大興奮したアルバムでした。

まず、とにかく一曲一曲のクオリティの高さと、選んだジャンルの絶妙さが最高でした。曲のクオリティに関しては私が話さずとも…という感じですよね。TXTは様々なジャンルをこなしてきたグループであるにしろ、フルアルバムで全曲異なるジャンルを選ぶ事が出来るのは素晴らしいことだと思います。個人的に、海外のプロデューサーを多用したり、歌・ダンスのトレーニングを受けた歌手がパフォーマンスしたりといった環境から、kpopは音楽的に自由な挑戦をしやすい世界だと思っていて、それが良さでもあると思っています。なので、TXTのアルバムは、kpopの環境の良さが生かされていると感じて、聴いていてとても楽しいです。
そして、1つのアルバムにバラバラのジャンルの楽曲が入ると全体の構成のバランスが気になりますが、全体的にレトロで洗練された雰囲気があって、そこそこ纏まっていたと思います。(前作の構成が個人的に最高だったので、あの感動とはちょっと違いました笑)BACK FOR MOREとDO IT LIKE THATを含めてアルバムを構成するのはとても大変だったんじゃないか、と勝手に想像しています。Blue SpringからのDILTは突拍子もないような気もしますが、MOAとしてはコンサートに思いを馳せて涙腺崩壊からの、DILTでテンション回復!という良い流れでした…笑

そして、曲に関して私がとても感動したのは、ディスコやレトロなR&B、シンセポップ(ニューウェーブ)と、これまで挑戦した事があるジャンルから、kpopらしい遊び心や以前の若々しい雰囲気が削ぎ落とされて、より洗練された楽曲になっていた事、メンバーのボーカルがそれに似合うように進化していた事です。MOAの中にはその事に寂しさを感じた方もいるようで、仕方ない事ではあると思いますが、せっかくなら私のように楽しんでみても良いんじゃないでしょうか?笑
それから、韓国的感性のインディロックやハードロックのような斬新なジャンルや流行りのジャージークラブにも挑戦していてとても面白かったです。個人的に、イブプシュケや孫悟空のようなかっこいいジャージークラブも良いですが、Super ShyやBoy’s a Liar pt.2のような可愛らしい雰囲気の方が好きなので、happily ever afterはかなりのお気に入りです。

②既存のkpopの価値観とは距離が生まれている、について、これがメンバーが話していた好き嫌いが分かれるというポイントなのだろうと思います。私にとっては、大変好ましい路線ではあります。私はkpopらしさ、kpopで良しとされる音楽の方向性とは「ダンサブル、派手・華やか、基本声を張って歌える」だと思っています。3つ目に関しては、TXTは以前からファルセットや息を多く含んだ歌い方が主流でしたし、newjeans以後、全体的に変化しつつある部分だと思います。しかし、FREEFALLに関して言えば、この3つ全ての条件から外れていると感じました。

そもそも、Chasing That Feelingを初めに聴いた感想は、「どうやってこの曲で踊るんだ?」でしたし、DreamerやSkipping Stoneなんて激渋曲だと思いました。ダンスミュージックであるDeep DownやHappily Ever Afterも、音数が少なく洗練されていて聴きやすい一方で、kpop基準で言えば華やかには聴こえないと思います。ですが、私にとってはある時から、kpopらしさの縛りが音楽としての面白さや聴きやすさを制限してしまっている部分でもあるように感じていました。以前はBTSの「BE」がとても良い方向を目指している、と思っていたのですが、残念ながら世の中はBTSにdynamiteの方向ばかりを求めていたようで…
とにかく、kpopが(BTSさえも)あくまでファン以外に聴きづらいジャンルになってしまっている理由は、皮肉にもkpopらしさにあると思う、という事が言いたいのです。それはそれで良いじゃないか、と考える事も出来ますし、私もある程度はそう思いますが、もっと普遍的なのにユニークな音楽に挑戦するグループを見てみたいと思っています。私にとってはそれがTXTです。そして、喜ばしいことにTXTの製作陣もその方向性をTXTの音楽のアイデンティティだと捉えているように感じています。私個人の考えとしては、ここまでクオリティが高く、洗練された楽曲を準備してそれを歌いこなしているこのアルバムに対して、華やかさが無いとかkpopらしくないという捉え方をしてしまうのは、一方的な見方ではないでしょうか?と思っています。以前も似たような事を書いたことがある気がするのですが、TXTは本当に良い環境で良いポテンシャルを持ったグループなので、それをフル活用しない手はないと思います。
ただ、TXTがkpopらしさ以外の部分でも良い音楽を目指すのは素晴らしい事だと思う一方、現状としてkpopに馴染めない人まで巻き込めているのだろうか、という点は心配でもあります。挑戦しないと何も変わらないですし、悩ましい部分ですよね。ただ、メンバー自身はその挑戦への決意を新たにしているようで、かっこいいと思いますし、より応援したくなりました!

③Slow Rabbit PDの不在について、全く参加していないわけでは無いのですが、タイトル曲にも名前が無かったのは意外でした(著名なPDに頼んだ分、あれこれ手を加える程の関係を築けなかったのでは…?と邪推しています)。メロディーや複数ジャンルの大胆な融合といった部分には違いがあったように感じました。それがスロラビPDのスタイルなのかも私の想像でしかないのですが…
TXTにとってはターニングポイントとして今後の方向性を示したいアルバムだったと思うので、分かりやすく以前との違いを示す意味ではありだと思いますが、スロラビPDのファンとしては寂しくもあり、一曲一曲のインパクトには欠けるのかな?と感じる部分もありました(それを良しとしているアルバムだと捉えています)。私としては、様々なPDとの作業を見てみたい気持ちもあるので、たまにはありじゃないかな〜と思います。個人的にはライアン・テダーとTXTの相性が良いと感じるので、今後も機会があればこの組み合わせの曲もまた聴きたいです。そして、ぜひリパブリックレコード以外のアーティストとコラボしてほしいところですが、簡単な事では無さそうですね。


という感じで、ひとまず全体的な感想を吐き出してみました。人によって感じ方が全く違うアルバムになったようなので、より多くの方が楽しめていると良いな、何より、TXTが満足できる活動になれば良いなと願っています。

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